法学館憲法研究所は、憲法を系統的に研究し、個人の尊厳の実現をめざす非政府組織としての自由な研究機関です
  「日本国憲法は平和というスピリットだ!」   2018年9月17日  
  井上ともやすさん(シンガーソングライター)  
 

 かつての僕は日本国憲法への認識が間違っていた。
憲法とは国民の代表である政治家達が考えて作られる法律のようなものなんだ、と思い込んでいた。
その間違いを気づかされ、尚且つ憲法の理念を含めその素晴らしさに胸打たれたのが伊藤真さんの講演を聞いた時だった。
まさに目からウロコ! そう、憲法は権力が暴走しないように国民を守る砦のようなもので、それは今までの不幸な時代を踏まえ、「平和を希求する人類の理念」を表した宝物のようなものだった!
だから現総理大臣の数々の発言は「権力が憲法を変えていいのだ。」というまさに憲法違反そのものと言える!
でも憲法への認識が間違っていたかつての僕のような人達は結構いるのでは?と思ったりします。
それも政治に無関心な多くの無投票人間達がそうなのでは?
今こそそういった人達に憲法の本当を伝えて、目からウロコ人間を沢山増やし、改憲の流れを阻止したい!と思う。
だがこの国の人間はそういうのに興味ない人間は一生興味なく終えそうな雰囲気がする。
毎年東京で行われる「憲法フォークジャンボリー」に出演しているが、大体同じ出演者、同じお客さんでやってるのでは?とマイナスに考える時がある。
もっと色んな世代、色んな人間達が参加するイベントであってほしい。
僕はあくまで歌を通して憲法が顕す「平和への祈念」を伝えていきたいという人間で、難しい憲法論議は苦手です。
でも難しそうと思われがちな憲法は実はシンプルな「平和」という精神に基づいているのであって、そこを感じて憲法を読んでみれば全て合点が行く気がする。
よく9条を変えないという事は「丸腰で戦争をする」ようなものだ、と主張する人がいる。
それは「戦争をする」事を前提にした意見だ。
何故に人は弱いのだろう・・と思う。
「平和」をイメージするより「戦争」をイメージしやすいという事だ。
「平和」は輪郭がぼやけていて「戦争」はくっきりと形が見えるのだろうか?
今こそあらゆる人類が「平和」を形作る民になってほしい!と強く思う。
戦争イメージ人間からは馬鹿にされるのは分かってるが、月にまで行けた人類が戦争を放棄する事が出来ないなんてそれこそ馬鹿げているとは思わないか!
それに丸腰で攻め込まれて殺されるとしても、殺しに行くよりはましだ!と思う。
そもそも殺そうとしてない人間を殺そうと思うのだろうか?
そんな思いを憲法が代弁してくれてるような気がする。
だから憲法を守る事に歌を通して尽力したい!

●作品の紹介・告知
今回僕が紹介する作品は「どこへ行くアメリカ」(詞/曲 井上ともやす)です。
この歌は2001年9月11日アメリカ同時多発テロの衝撃が基になってます。
特に貿易センタービルが崩れ落ちる映像をテレビで見た時、オウムの地下鉄サリン事件以来の暗い衝撃と「人間はもう駄目なのでは?」というような狂気じみた失望感に苛まれました。
それから3年、心に燻るアメリカへの思いや戦争というイメージを吐き出したくて、ノートに10ページほど言葉を書き散らしました。
それを4ページほどに編集して作曲したのがこの歌です。
人生で初めてPVも作りました。
こちらのアドレスからYouTubeでご覧になれます。
https://www.youtube.com/watch?v=sd7xmD3fgaU

最後に歌詞を掲載します。

どこへ行くアメリカ      詞/曲 井上ともやす

親父が俺をぶん殴る時は足を肩の幅に広げて 
「歯をくいしばれ!」右へ左へはたかれて鼻の奥がつん!とした
「こんな風にやられないか?」とクラスのみんなに聞くと
「そんなことするのはおまえん家だけだろう」
「そもそもお父さんに殴られたことなど一度もない」とポカンとされたっけ 
ある日テレビで戦争映画を見た
日本軍のなんか偉そうな奴が貴様!と怒鳴りつけ親父と全く同じやり方で殴っていた
なんだこれか!そうか!これなんだな!これが親父の見本なんだな!それは戦争さ

中学一年初めての英語の授業 "Hello!Hanako" "Hi!Taro"
外国の言葉を話す興奮でウキウキしながらアルファベットを追った
やがて3年が経ち高校受験の季節 英語はもはや楽しいものではなく
くそ難しい文章ばかり読まされてTaroもHanakoもすっかり消え失せた
だけど高校に入りある英語の先生が
イーグルスの「ホテル・カルフォル二ア」の歌詞を訳した時
いつも寝ていたばかりの俺が衝撃を受けて鳥肌を立てていた
「このホテルをチェックアウトするのは自由だけど、出て行くことは絶対出来ません」 
それがアメリカだ

アメリカが少しずつ 僕の心に現れた 背が高くてかっこいい英語を喋る人達 
オリンピックではいつも金メダルだね

僕が好きになった吉田拓郎が好きだったのがMr.Bob Dylan
僕が好きになった佐野元春が好きだったのがMr.Bruce Springsteen
「風に吹かれて」「Like a Rollingstone」「Born to Run」「River」「Born In The U.S.A」 
憧れの国 United States Of America
「ネブラスカ」のハープをコピーした17才の夏
だけど繰り返し叫ばれるベトナムという言葉  
あのアメリカが何をそんなにアジアに怯えてる?
「Born In The U.S.A!」と拳を上げるのは間違っていた
何か少し少しづつ見えてきた アメリカが隠そうとしているもの 例えば原爆さ

そういえば小学校の学級図書館 教室の後ろに本を並べて 
担任の諸根ヒサ先生が置いた唯一の漫画は「はだしのゲン」
「非国民」「ピカドン」「在日朝鮮人」「ケロイド」「放射能」「原爆ドーム」
初めて聞いた言葉のナイフがえぐったものは人間の素顔
8月6日、9日 広島 長崎 何故だか総理大臣がいつも頭を下げている 「本当に頭を下げるのはアメリカじゃないのかい?」
昭和11年生まれの母親にそんなこと熱く語るとこう言われた 「おまえは過激派だ」

アメリカが少しづつ僕の心に曇ってきた ジョン・ウェインの映画では殺されていた
インディアンと踊るケビン・コスナーのように・・

時は流れて僕は沖縄を愛してやまない男になった
でも旅すればいいことばかりじゃなくて 
ナイチャー嫌いのおばーにののしられたりもした
「いくらナイチャーだからってよ、知ったような顔すんじゃないよ!」
「島唄もっと勉強してから来なさい!」「あんたとは話したくないさ!」
でも後から聞いた おばーの本当の家は基地のど真ん中 二度と帰れないって・・
伊江島米軍射撃場立ち入り禁止 興味津々近づいていくと門番がゆっくり立ち上がり
マッカーサーのような黒く冷たいサングラスで拳銃に手をかけた
「殺される!」と初めて感じた瞬間 腰が抜けるほど驚いて踵を返した そこが沖縄だ

2001年9月11日 テレビの画面は戦争だった
「これは映画だろう!?」と何度も信じようとしたが 
憎しみのエネルギーが全てを蝕んでいた
真っ二つに崩れ落ちる貿易センタービル 血まみれの泣き声が「私の神よ!」と叫ぶ
「絶対屈しない」「絶対負けない」ブッシュさん、その前にやられた理由は何ですか?
アメリカがきっと欲しがってる「石油」その国に自衛隊を送り
黄色いテープで別れを告げる家族の涙はまるでいつかの白黒フィルム
あれから地球は憎しみの星になり 黒い空気の固まりが誰もの胸に吸い込まれている
貧しい顔した政治家達が安っぽく命を語る
かつて親父が俺の頬を叩いた その痛みで色んな事を知った 人間は悲しいね・・

アメリカが少しずつ世界中で曇ってきた 「自由!自由!自由!」と声高に叫ぶ 
片手に銃を握りしめながら・・

どこへ行くアメリカ どこへ行くアメリカ どこへ行くアメリカ どこへ行くアメリカ どこへ行くアメリカ どこへ行く!? どこへ行く!? 
War Is Over  War Is Over 
War Is Over  War Is Over!

 

井上ともやす(いのうえ ともやす)さんのプロフィール

1967年生まれ。15歳の時に吉田拓郎に影響をうけギターを弾き歌い始める。
フォーク、ロックを基調にブルーグラスや沖縄音楽を融合したメッセージ色強い独自の音楽を展開している。
吉田拓郎のトリビュートライブも人気でソロやバンドスタイルで全国で演奏。
ソングライターとしても石野真子や沖縄の歌手宮良牧子などに曲を提供。
2010年10月 1stアルバム「平和の詩(うた)が聞こえる」リリース
2016年2月 2ndアルバム「アジアの瞳〜Peaceful Eyes In Asia〜」リリース

<今後の活動>
10/7(日)国会議事堂周辺にて 共謀罪反対イベント「イットクフェス」に出演
11/11(日)上野水上音楽堂にて 井上ともやす主催「アコースティックボイス2018 vol.31〜Bluesを抱いて歌え〜」
12:30〜19:00くらいまで。入場料前売り&予約¥2000 当日¥2500
全13アーティスト出演。スペシャルゲスト野澤享司さん
問合せ&予約 井上ともやす chiefinoue@yahoo.co.jp

11/23(金・祝)汐留BlueMoodにて 「よしだたくろうLive73完全再現ライブ2018」
昨年に続き開催。今回はリアルドラマー田中清司さんに加えリアルベーシスト岡沢章さんも参戦。
キーボードに柳田ヒロさん、ホーンセクション、コーラスも加えて全13人編成でLPに入ってない曲(曲順通り)からMCまで
全て完全コピーでお届けします。
問合せ&予約 BlueMood tel 03-3249-6010(平日9:00〜18:00)整理番号順入場。

井上ともやす

当サイトに収載しているアート関連情報(1)(2)   CDブックス『ドレミファ憲法』