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名画で学ぶ憲法 ―市民が参加する弁護士と洋画家の『憲法トーク』―

2013年11月11日



吉井昭さん(弁護士)


 私たちは常日頃から,憲法についてあまり意識することなく生活を送っています。憲法は身近なところにあるのに遠い存在なのです。
 憲法とはそもそも何なのでしょうか。

 よく憲法はその国の基本法と呼ばれます。我々が最も身近に感じる,民法の中に書かれている身分法や会社法等とはちょっと違った印象を持たれていると思います。
 我々,法曹界に携わる弁護士も,大体同じようなものです。
 離婚や相続は我々にとって,本当に切実な,また身近な存在であるのに,その国の基本法と称される憲法は,本来ならば身近にあるべきなのに,遠い存在なのです。

 では,憲法はなぜ遠い存在なのでしょうか。
 それは私の理解するところによれば,平和や平穏な時代には,いわば黒子であって表に出てこないものなのです。しかし,平和や平穏な状況が国の内紛や外国との戦争という事態になったときには,黒子は黒子でなくなり,表に出てくるものです。例えば,日本国憲法の憲法9条は戦争放棄をうたっていますが,一朝,戦争ということになれば,戦争放棄との関係はどうなるのか,深い悩みが表出してくるのです。

 そういったことから,平和な時代には,憲法というのはあまり意識することなく,我々は生活することができるのです。

 さて,洋画家弓手研平(ゆんで けんぺい)氏は,憲法全条文と前文を含めて110作を,平和な時代に過ごしているこの時期に,約4年かけて絵にされ、このたび「日本国憲法の心を描く」を出版されました。

 画家の憲法を見る目と,法律家である弁護士の憲法を見る目と,それぞれ違いはあっても,その共通認識をどこまで重ねることができるか,そして,平和な時代であるからこそ,今一度,日本の憲法のある姿,又あるべき姿をトークという形で,目で見た感覚と理論が融合するかという新たな試みにチャレンジしようと思い立ったのです。

 この憲法トークは市民が誰もが無料で参加でき,2013年8月2日を第1回として,毎月1回合計10回開催することにしていますが,成功するかどうかは,この会に参加されている方が,家に帰って憲法というものを真剣に考えてみようとする姿勢如何にかかっているのです。市民の皆様が憲法について考えていただける端緒になれば,憲法トークは成功するのです。

 憲法トークは,まず弁護士が1条ずつ条文の解説をし,そのあと,画家が条文に該当する絵をどのようにイメージして描いたかを説明してすすめることにしています。そのあと参加者の感想や意見を聞くことにしています。大体,毎回の市民の参加は50名前後で推移しています。

 最後に,私が付け加えておきたいのは,何故洋画家弓手研平氏が,憲法を絵にしたためる衝動にかられたかということです。

 それは,画家本人に聞いてみなければわかりません。しかし私の理解するところによれば,画家が選別する対象というものは数限りなくありますが,著名なシャガールが聖書の中に書かれたストーリーを100作以上絵にして残したことを聞いたことがあります。やはり画家というのは,当時の社会生活の枠組みの一つであった聖書の中のストーリーをも絵にしてしまいたい衝動にかられるようです。また,日本においても,古事記や日本書紀,万葉集をも絵にしている画家がいるのです。たぶん洋画家弓手研平氏も基本法たる社会の枠組みである日本国憲法を絵にする衝動にかられたのでしょう。そのことに私は何ら奇異に思うことはないのです。

 なお、本書籍をご希望の方はエートス法律事務所(電話:06-6365-1728)までお申し込みください。
 また、席に余裕がありますので、憲法トークにご参加を希望される方も当事務所までご連絡ください。

◆吉井昭(よしい あきら)さんのプロフィール

昭和43年3月早稲田大学法学部卒業。商社勤務を経て昭和50年4月司法研修所入所(29期)。平成14年12月エートス法律事務所設立。





 
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