法学館憲法研究所は、憲法を系統的に研究し、個人の尊厳の実現をめざす非政府組織としての自由な研究機関です

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今週の一言

 

2014年初頭にあたって

2014年1月1日



伊藤真(法学館憲法研究所所長)


 新年にあたり,読者の皆様にごあいさつ申し上げます。

 昨年,安倍政権は2012年に取りまとめた「日本国憲法改正草案」を実現するために,憲法改正手続を緩和させることによって,憲法96条の先行「改正」を主張しました。しかし,これに反対する多くの国民によるたたかいや,「96条の会」の結成とその活動などによって,その企みを阻止することができました。
 また,安倍政権は,参議院議員選挙後「積極的平和主義」を掲げ,集団的自衛権についての政府の憲法解釈の見直しに前向きな小松一郎駐仏大使を内閣法制局長官に充て,10月からの臨時国会において国家安全保障会議(日本版NSC)設置法案と特定秘密保護法案を成立させ,12月には国家安全保障戦略を初めて閣議決定するに至りました。
 このように,今の日本は,「戦争のできる国・する国」にしてアメリカとの軍事協力体制を強化し,憲法9条を実質的に変えていこうとする動きが進んでいる,という危機的状況にあるといえます。
 こうした状況に対し,当研究所は昨年4月,所長・顧問・客員研究員連名の見解「拝啓 安倍晋三様 あなたが『改憲』に前のめりになるのは筋が違いませんか?」を取りまとめて公開するとともに,WEBサイトで「改憲を問う!」という連載を組みました。6月には多くの市民の皆さんとともにDVD「STOP戦争への道」を完成させ,普及を開始しました。秋には「憲法フォーラム」を開催し,「立憲主義という考え方」,「憲法感覚の培い方」,「憲法9条を守るということ」について市民の皆さんと活発な議論を行っています(その内容は近く発行する「法学館憲法研究所報」10号に収載予定です。)。
 当研究所は,これらの取り組みによって安倍政権による明文改憲・解釈改憲に反対する国民的たたかいに参加・貢献してきました。

 昨年,私は,引き続き「一人一票実現」ための活動にも力を注ぎました。その結果,11月に最高裁判所大法廷において,2012年12月衆院選が憲法14条1項に照らし違憲状態であるという判決,そして広島高裁岡山支部において,昨年7月の参院選が違憲・無効であるという判決が言い渡されました。
 このように裁判所は,国会が違憲状態にあることを警告しているにも関わらず,国会の対応はいかにも緩慢であるため,引き続き,粘り強く司法府,立法府の責任を追及していかなければなりません。

 今年,自民党は,憲法改正国民投票法「改正」案を公明党とともに国会に提出する予定です。憲法「改正」の動きへの警戒を解いてはなりません。同時に,自民党が国家安全保障法の制定と集団的自衛権についての政府の憲法解釈の見直しを進めており,日本を本格的に「戦争のできる国・する国」にしようとしていることも看過できません。
 昨年の特定秘密保護法案の制定に反対する国民のたたかいの広がりは安倍政権を追いつめています。そもそも違憲状態の国会には,憲法「改正」や憲法の理念に反するようなことを進める資格はありません。私は多くの市民の皆さんとともに,日本国憲法の理念を広める活動を,今年一層積極的に展開していく所存です。
 以上,日本社会の岐路とも言える年の初めにあたっての,決意とごあいさつと致します。

◆伊藤 真(いとう まこと)

法学館憲法研究所所長。伊藤塾塾長。弁護士。
日本弁護士連合会憲法委員会副委員長。「一人一票実現国民会議」事務局長。
『憲法は誰のもの?』(岩波ブックレット),『中高生のための憲法教室』(岩波ジュニア新書),『伊藤真の憲法入門・第四版』(日本評論社),『赤ペンチェック 自民党憲法改正草案』(大月書店),など憲法関連著書多数。オフィシャルサイト





 
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