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「憲法を考える映画の会」

2014年9月1日



花崎哲さん(「憲法を考える映画の会」代表)

 

———「憲法を考える映画の会」は昨年来、憲法や人権、平和などをテーマとする映画の上映会を連続的に開催しておられます。上映会を開催することにした思いや問題意識などをお聞かせください。
(花崎さん)
 2012年に自民党が憲法改正草案を発表しました。私はその内容を見て、これは大変なことになってきたと思いました。自民党は以前から憲法9条の「改正」を唱えてきており、今回の改正草案もそれが盛り込まれています。私は9条「改正」にも反対なのですが、この改正草案が、憲法の基本的価値である国民の人権を尊重するという考え方を真っ向から否定し、まるで戦前の社会に戻そうという内容になっていることに驚かされました。9条「改正」によって日本を「戦争ができる国」にしながら、国内においては国民が戦争に反対する声も上げられないようにされていくのではないか、そういう危機感を感じました。
 私は1980年代に「八十七歳の青春・市川房枝生涯を語る」という映画製作にたずさわりました。そういう経緯から、2012年11月、女性の政治参加に取り組んだ故・市川房枝さんの業績を語り継ぐシンポジウムがあり、私もパネラーとして参加することになりました。そこで私は市川さんが生前に"自分ができることは何か考えて、行動することが重要である"と言っていたことを思い出すことになり、今回の映画の上映会を開催することにしました。

———市川房枝さんの考えに触発されたところが大きいようですね。
(花崎さん)
 市川房枝さんは生涯、平等や平和を唱え大きな功績を残しましたが、政治教育をしなければならないということへの強い思いがありました。その考え方の根幹は、一人ひとりの国民が自ら主体的に考え政治的に行動する、ということでした。1980年当時、市川さんの撮影をしながら、市川さんのそうした思いと政治参加の重要性を強く感じました。市川さんの亡くなった後、私は自分にできることは何かと考え、「戦争を考える映画の会」を立ち上げ、上映会を何度か開催し(1982‐83年)、そしていま、「憲法を考える映画の会」の活動をしているということです。

———花崎さんは、憲法というものに対して新たな問題意識を持つようになったそうですね。
(花崎さん)
 はい。私は最近になって、立憲主義という考え方を知りました。私も学生時代に憲法のことは学び、三権分立とか平和主義、国民主権ということは理解しているつもりでした。ところが、憲法というものが弱い個人の権利を守り、それを抑圧しようとする権力者を縛るところにその本質があるというような理解はしていませんでした。伊藤真さんの本でそのことを知ったときには「目から鱗」でした。そして、自民党の憲法改正草案は、その立憲主義を真っ向から否定する内容になっていることも知りました。これも私が映画の上映会をしていくきっかけの一つです。

———これまで2013年4月から16回の上映会を開催してきたとのことですが、その様子をお聞かせください。
(花崎さん)
 初めの頃は、日本国憲法の内容や成り立ちなどを描いた映画を上映しました。第1回は「戦争をしない国 日本」を観ました。やがて、憲法のことを直接的に描くのではなく、報道の問題、教育現場の問題など表現の自由や思想・良心の自由に関わる具体的な問題がテーマになっている作品も上映するようにしました。私たちは毎回、参加者の皆さんが映画を観た後、感想を述べ合い、また日頃考えていることを出し合ってきました。いずれの上映会もそうした話し合いをする有意義な場になりました。自民党の改憲草案のように憲法が「改正」されることになると人々の自由が失われていく、現にそのような風潮が生まれてきている、ということを参加者同士で確認し合ってきました。抑圧に抗う人々の姿を描いた作品を観た参加者が「心を動かされた」などと述べ、人権や平和の大事さについてのお互いの共感が広がっています。
 上映会には、インターネットで上映会のことを知った人や、いろいろなところで上映会のチラシや新聞での紹介を見た人が毎回参加されます。若い人も来てくれます。

———HPも開設し、また「憲法を考える映画のリスト」という冊子も作られましたね。
(花崎さん)
 HPでもどんどん情報を発信していこうと思っています。
 映像には大きな力があります。映画を観れば、誰もが何らかの感想を持つことになり、そこから考え、話し合うことができます。ドキュメンタリー映画などには、いろいろなことを考えられるすばらしい作品がたくさんあります。はじめて公開されたときに話題になりますが、それだけで終わってはもったいないです。ぜひ多くの人に観てもらいたい。そうした映画を探して上映会を続けていこうと思います。
 映画も憲法の考え方を広げる重要なツールです。憲法の講演会の開くのは大変だけれども、映画の上映会ならば少人数の参加者でも気軽にできる、ということもあります。私としては、映画を観ることをきっかけにして、少しでも多くの人が集まり、憲法と人権、平和を語り合う、そういう取り組みがあちこちに作られていくことを大事にしていきたいと思っています。

———意義深い取り組みを語っていただき、ありがとうございました。私たちも映画製作やHPでの「シネマDE憲法」の発信などをしており、今後とも連携できればと思っています。今後ともよろしくお願いします。




 
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