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「憲法9条にノーベル平和賞を」の運動について

2014年9月22日



石垣義昭さん(「憲法9条にノーベル平和賞を」実行委員会共同代表) 

 

この運動の始まり

 私たちが進めている「憲法9条にノーベル平和賞を」の運動は、私たちが最初ではありません。私たちの把握できている限り、1991年にアメリカで「第9条の会」を立ち上げた現オハイオ大学名誉教授のチャールズ・オーバービー教授や日本の全印総連女性部でも起こしています。
 今回の私たちの運動の発案者である鷹巣直美さんはこうした経緯を知らないまま、同様の趣旨のメールを何回かにわたってノルウエイのノーベル委員会に送ったそうです。すると委員会からメールが返って来ました。そこには@憲法の条文は受賞の対象にならない。受賞者は個人か団体であることが必要。Aノミネートにはノーベル委員会が認めた推薦資格を持つ人の推薦書が必要。B推薦は毎年2月1日に締め切られる。などのことが書いてありました。
 そこで鷹巣さんは2012年にEUが団体で受賞していることにヒントを得て、「憲法9条を70年近く保持し続けている日本国民にノーベル平和賞を」という今回の運動を思いついたといいます。その提案を受けて相模原市と座間市の「9条の会」が合同で実行委員会を立ち上げたのが昨年の8月でした。「全国9条の会交流集会」で協力を呼びかけたのが11月で、「神奈川新聞」や「東京新聞」(1月)がこの運動を紹介した頃から運動が広がり始めました。2月1日の締め切り前に推薦書(13個人と1グループ)とそれまでに集まった署名約2万筆を送ることができました。

海外の反響に驚く!

 4月9日にノルウエイの委員会から推薦を受理したという連絡が入ると、マスコミなどの大きく取り上げるところとなりました。特に韓国や香港をはじめとする海外からの反響が大きかった事に驚きました。直後から署名も急速に広がりはじめました。次から次にかかってくる電話の「署名用紙を送ってください」という問い合わせに十分対応できないほどでした。多くの方にご迷惑をお掛けして申し訳なく思っています。
 ノミネートの連絡が入った直後のことでした。以前から護憲運動を続けている「9条の会」を受賞対象者として推薦していた東工大の先生から、「私の推薦書も受理されましたよ、ともに頑張りましょう!」という連絡がありました。私たちは受賞対象者を「日本国民に」としています。今年「ノーベル平和賞」にノミネートされた個人および団体は278に上るといわれていますが、その中に「日本国憲法」を推薦した二つの団体が含まれていたのです。
 さて、今回の運動を通じて最も強く感じたのは、署名用紙に添えられてくる手紙の殆どに「とてもいい運動を始めてくださいました。皆さん気持ちよく署名してくれます」とか、「この運動を知って希望と勇気が湧いてきました」などの感謝の言葉や「この運動の実現を祈っています」などと書かれていた事でした。そうした声を実行委員会ニュース(現在6号まで発行)にも毎回紹介してきましたが、そうした手紙に私たち実行委員がどれほど励まされたか知れません。改めてお礼申し上げます。

「アジア平和賞」をいただきました

 8月15日、マレーシアのクアラルンプールで授賞式がありました。この賞の受賞については実行委員会ニュースNo.7(9月下旬発行)で詳しく報告しますが、私たちの運動の意義を改めて確認させてくれる賞でした。
 実行委員会ニュースに毎回書いている文があります。それは≪憲法九条のすばらしさを共有し、守り、活かし、世界に向けて広めていく取り組みの一つとして、思想・政党・宗教などのあらゆる違いを超えて、「憲法9条にノーベル平和賞を」の一点で一致し、協力して活動しています。≫というものです。この一文に私たちの運動の思いが込められています。しかし、「ノーベル平和賞」を受賞する事が最終目標ではありません。それは一つの通過点なのです。
 日本国憲法を守り、活かし、広めていくのはあくまで日本国民です。日本国憲法の持つ素晴らしい精神。「平和主義」、つまり、もう二度と戦争はしませんという不戦の誓いです。「基本的人権の尊重」、つまり、一人ひとりを人間として尊び、その幸せを実現していくことです。「主権在民」つまり、国民を主人公とする社会の実現です。
 ある人が言いました。「9条はノーベル平和賞に値するのか」と、そして「ノーベル平和賞は9条に値するのか」と。私は今回の運動を通して「この運動はそのことを問う運動でもあるのだということが」少し分かってきた気がしているところです。

◆石垣義昭(いしがき よしあき)さんのプロフィール

1941年、北海道の生まれ。室蘭栄高校、都留文科大学国文科卒業、武蔵工業大学(現東京都市大)付属中高校勤務、2005年退職。現在「不登校を考える東京私学の会」代表。東京父母懇談会「電話教育相談」・相談員。著書「教室に感動が広がるとき」(近代文藝社)他




 
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