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今週の一言

 

東京朝鮮高校生の裁判を支援する(その1)

2014年10月6日



長谷川和男さん(東京朝鮮高校生の裁判を支援する会 共同代表)

 


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――― 朝鮮高校生「無償化」裁判とは、どういう経緯の裁判ですか。

(長谷川さん)
 2010年1月に民主党鳩山内閣の時に、「高校無償化法案」が閣議決定され、4月から公立や私立や外国人学校など「高校と同等」とみなされる各種学校の生徒に支援がなされることが決まりました。
 外国人学校は、高校無償化法施行規則の1条1項2号でイ、ロ、ハに区分され、イは国交のある国の学校、ロはインターナショナルスクール、ハは国交のない台湾や朝鮮民主主義人民共和国に分けられています。
 ところが、拉致問題などを理由に、朝鮮学校を無償化の対象からはずす主張が出てきましたが、様々な議論の結果、朝鮮学校も対象になることで落ち着きました。
 しかし、11月に朝鮮民主主義人民共和国が、延坪沖で軍事演習をしていた韓国軍に対して、砲撃を行い、民間人を含む死傷者が出ました。当時の菅首相は、文科大臣に対して、朝鮮高校無償化手続きの停止を指示し、手続きが中断したままになりました。
 2012年12月、第二次安倍内閣が誕生すると、朝鮮民主主義人民共和国や在日本朝鮮人総連合会とも結びつきがあることを理由に朝鮮学校を対象外にすることを決めました。
 これに対して、2013年1月から、大阪、愛知、広島、福岡で、学園が原告となって、不指定処分の取り消しと「無償化」適用の義務付けを求める裁判(行政訴訟)と、生徒・卒業生が原告となって「高校無償化」から排除されることによって生じた損害に対する裁判(国家賠償請求訴訟)を国に対して起こしました。そして、今年2月に東京で、東京朝鮮高校生「無償化」裁判を提訴しました。

――― そもそも、なぜ朝鮮学校が日本にあるのですか。その経緯を教えてください。

(長谷川さん)
 日本による韓国併合やアジア太平洋戦争により、朝鮮で生活ができなくなり日本に住み着いた人や強制的に日本に徴用されてきた人たちの二世は、戦後日本語しかできなくて、朝鮮半島に帰るためには、朝鮮語を学ぶ学校が必要になりました。また、朝鮮に戻ることをあきらめていた人たちの子どもにも朝鮮語や朝鮮の文化を学ばせたいための場を求める運動が起こり、朝鮮学校ができました。
 1948年、連合国軍最高指令(GHQ)による閉鎖命令が出されたり、日本政府による経済的締め付けなどがあり、激しい闘争もありましたが、1960年から1970年代に、各種学校として認可されました。

――― 実際の生徒さんは、どういう出身のお子さんなんですか。

(長谷川さん)
 朝鮮籍は50%、韓国籍が49%、その他が1%です。朝鮮籍といっても、朝鮮民主主義人民共和国の国籍ではありません。日本に併合され、日本国籍となり、合わせて国籍等の欄の出身地に「朝鮮」と記載されました。戦後の朝鮮の南北分断によって、韓国籍を取得した人が韓国籍となり、そのほかの人が朝鮮籍のままになっただけです。実際、日本に来たり、連れて来られた人は、地理的に朝鮮半島の南の人が多かった訳です。
 
――― 朝鮮籍イコール北朝鮮籍ではないのはわかりました。

(長谷川さん)
 朝鮮学校の生徒の姿を描いたドキュメンタリー映画があります。大阪朝鮮高級学校ラグビー部を3年にわたって取材したものです。昨年から全国各地で上映されています。今週末には、東京朝鮮第二初級学校で上映されます。この映画をみると、朝鮮学校への理解も深まると思います。

(つづく)

◆長谷川和男さんのプロフィール

1947年生まれ。1972年から東京都の小学校教員。退職後、市民運動に携わる。

<関連情報>
映画「60万回のトライ」上映スケジュール
・当「今週の一言」ページ2014年3月17日付けで、映画「60万回のトライ」の監督・朴思柔さんに作品への思いを語っていただきました。こちら

東京朝鮮高校生の裁判を支援する会

東京朝鮮高校生「無償化」裁判支援集会
 2014年10月18日(土)
 開場13:00 開会14:00 終了予定16:00
 東京・文京区民センター 3−A会議室
 (資料代500円)
 講師:阿部浩己(神奈川大学教授・東京朝鮮高校生の裁判を支援する会 共同代表)




 
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