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今週の一言

 

いまこそ投票に行きましょう!

2014年12月8日



小口幸人さん(弁護士)

 

―――小口さんは今回の衆議院選挙にあたって,「選挙バトンリレー −目指せ投票率アップ」というキャンペーンを始めましたが,どのような取り組みなのか,お聞かせください。
(小口さん)
 選挙で投票を呼びかけるキャンペーンは過去にもありましたが,「選挙バトンリレー」では参加する方が3分以上誰かと政治や選挙について語っていただくことを基本としています。
 投票率が最も低いのは20代,ついで30代となっています。他方でSNSの利用者は若い人の方が多いと言われていますので,この「選挙バトンリレー」が広がった場合,特に20代〜30代の投票率アップが期待できます。誰かと政治や選挙について語っていただくというのは,すぐには難しいでしょうが,関心がなければ投票に行かないのは当然ですので,政治に関心を持つ機会自体を広めることが重要だと考えています。
 さらに,ハッシュタグ「#選挙br」を付していますので,キャンペーンの広がり具合を誰もが確認できる状態になっています。キャンペーン参加者はもちろん,それに興味をもった方や報道機関等も広がり具合を検証できます。自分が協力したキャンペーンがどんどん広がっていくことを確認できるので,投票を呼びかけてよかった,キャンペーンに参加してよかったと感じてもらえると思います。

―――具体的にはどのようにすればいいのですか?
(小口さん)
 第一は「語り合いバージョン」です。誰かと選挙について3分以上語り合ってください。そして,その報告と語り合った相手との写真をSNSにアップしてください。
 第一が難しいようでしたら第二の「投票しますバージョン」です。「私は投票します」という宣言と,宣言している写真をSNSにアップしてください。どちらの場合でも,アップするときに「#選挙br」という文字を付けて投稿してください。
 その上で,1〜3人の知人友人を指名して,48時間以内に同じことをしてもらうよう伝えてください。
 キャンペーンの期限は投票日前日の24時までです。詳しくはこちらの動画をご覧下さい。
 http://youtu.be/0qOR6C6EPgU

―――小口さんがこのキャンペーンを始めた動機・問題意識を聞かせてください。
(小口さん)
 先日の福島県知事選挙の投票率(45.85%)がとてもショックでした。弁護団や被災地支援などで福島に足を運ぶことはありますが,そこで見聞きする現実の深刻さと,余りにもかけ離れていたからです。これでは,原発事故避難者を支援する政治の動きは広がりません。
 被災者支援の関係で,私は政治家の方と話す機会に恵まれました。そこで知ったことは,政治家は,投票してくれる人の方を向いて政治をせざるを得ないという現実です。投票にもいかないのに,自分たちのための政策を実現してくれといっても,それは期待し過ぎというものだと思います。
 ここ数年,私は昔の方がよかった,日本はおかしな方向に向かっているのではないかと感じています。とくに今,どんどん広がる格差に危惧を抱いています。また、少しずつ戦争の方向に近づくような流れにも,なし崩し的に原発を再稼働しようとしている動きにも危惧を抱いています。そしてなにより,こういった想いが選挙という結果に現れないことを,投票率すら上がってこないことに危惧を抱いています。
 格差が広がって経済的に苦しい立場にいる人や,現在の再稼働に向けた動きに違和感を感じている人がいるのなら投票に行くべきです。そのためには,政治や選挙について少しでも関心をもってもらうことと,とにかく投票に行って,その結果がどうなるかを体験してもらう必要があると考えました。
 今回の選挙の投票率は低くなると予想されています。仮に投票率を高めることができれば,開票日の選挙特番では「どうして投票率が高くなったのか」「投票率が高くなった結果このような影響が」というコメントが何度も流れることでしょう。見方を変えれば,今回の選挙は,投票に行ったことや投票率を上げたことの効果をすぐに感じられるチャンスだと思います。我々が投票に行くことで選挙の結果が多少変わる,その事実があって始めて,政治家は私たちを向いた政治をするようになるはずです。
 確かに世の中はすぐに変わらないかもしれません。今回の選挙だけで直ちに変わるということはないかもしれません。でも,自分のできる範囲で,世の中をよくしたい,私たちがそう思って行動すれば,少しずつ良くすることはできると私は信じていますし見過ごすことはできなかったので,このキャンペーンを始めることにしました。

―――すごく大事なことをお話してくださいました。今回の選挙は憲法との関連でも重要だと思います。小口さんのお考えをお聞かせいただけませんか。
(小口さん)
 いま,格差がどんどん広がっています。貧しい人が増えていることが様々な問題の根っこにある,所得の再分配が適切に行われていない,と感じています。
 格差の拡大は資本主義の病気だ,という指摘があります。しかし,仮に1%の人が巨万の富を保有するシステムになっているなら,99%の人が選挙でそのシステムを変えるはずです。民主主義さえしっかり機能すれば,資本主義に内在するこの病気は,大幅に是正でき,貧富の差は広がらないはずだと考えています。
 そのためには,多くの人が,特に経済的に不利な立場に追い込まれている人こそ投票に行き,多数派をとり,所得の再分配を適切に行う政治家に投票する必要があります。歴史を辿れば,選挙権は男だけ,しかも所得の高い人にしか与えられていない時代がありました。先人の活動の上に,性別や所得に関係なく一票を投票できる制度になりました。それを活かさないのでは,先人にも未来の子ども達にも笑われてしまう,私はそう思います。みんなが投票にいき政治を変えるきっかけをつくり,多くの人が活き活きと暮らせる社会にしたい,そう考えています。
 特に憲法に絞ると,集団的自衛権の関係で憲法解釈を閣議決定で変更するという手法をとったことに憤りを感じています。立憲主義はもちろん,法制度の根幹を崩すことであり,主権者である国民を軽視する行為だと考えています。
他方で,主権者である国民が選挙でこれを支持してしまうのであれば,手法も含めて追認する形になる,少なくとも「信任を受けた」と強弁されても文句は言えないと思います。今回の選挙は,国民主権そのものが問われていると感じています。

―――ありがとうございました。ぜひ「選挙バトンリレー」を広げていきたいと思います。

 

◆小口幸人(おぐち ゆきひと)さんのプロフィール

弁護士。司法過疎地域の宮古ひまわり基金法律事務所で働き、被災者支援に尽力。現在は東京の桜丘法律事務所に所属。
現在、「日本弁護士連合会広報室」嘱託、「日本弁護士連合会東日本大震災・原子力発電所事故等対策本部」本部員なども務める。

 




 
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