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『決定版 東京空襲写真集−アメリカの無差別爆撃による被害記録』刊行と特別展開催

2015年3月9日



東京大空襲・戦災資料センター

 1945年3月10日に初めて都市への無差別大規模空襲が行われたことをご存知の方は少ないのではないでしょうか。深夜、279機のアメリカ軍B29爆撃機が、太平洋マリアナ諸島の基地から飛来し、2時間半の間に32万発、1650トンもの焼夷弾を投下し、現江東区、墨田区を中心に東京の下町一帯が焼き尽くされた東京大空襲です。10万人もの生命が失われ、100万人以上が罹災しました。この後、名古屋、大阪、神戸を始め日本各地の都市への空襲が続き、広島、長崎への原爆投下につながっていきました。
 東京は100回以上も空襲を受け、甚大な被害を受けましたが、公立の資料館や平和公園もなく、被害者に対する国の救済は何もありません。
 この東京大空襲の惨禍を次世代に継承しようと、4000名を超える方から寄付をいただき、東京大空襲の被災地である江東区北砂に民立民営の東京大空襲・戦災資料センターが開館したのは2002年です。以来、多くの貴重な資料が寄せられ、多角的な研究が進められて成果を上げてきました。
 戦争当時撮影された、貴重な写真の整理・研究も進めてきました。戦時中、空襲被害を公然撮影できたのは、警視総監から特別の指示を受けて、東京空襲の撮影をしていた石川光陽氏、陸軍参謀本部のもとで写真宣伝物を撮影するとともに、陸軍の記録写真を撮影していた東方社、そして写真宣伝の中枢機関であり、政府の写真広報誌『写真週報』の写真を撮影・収集していた日本写真公社などにつくられた国防写真隊に組織されたカメラマンたちだけでした。
 戦災資料センターは公益財団法人政治経済研究所の付属博物館です。政治経済研究所が文部科学省の学術研究機関に指定されており、科学研究費の助成を受けることが可能な研究機関です。2011年から3年間の科学研究費の助成を受けて、共同研究「戦争末期の国策報道写真資料の歴史学的研究―国防写真隊と東方社を中心に」により、撮影者に分けた残りで、旧社屋に置かれていたネガフィルムである「青山光衛氏旧蔵東方社・文化社関係写真コレクション」と旧情報局関係者から寄贈された日本写真公社の写真の整理・研究をしました。
 「東方社コレクション」の研究に引き続いて、2014年から3年間の予定で科学研究費の助成を受ける共同研究「戦中・戦後の「報道写真」と撮影者の歴史学的研究―東方社カメラマンの奇跡」が始まり、東方社の菊地俊吉氏、林重男氏、後藤種吉氏らが撮影した写真と、石川光陽氏の写真を資料の研究を進め、東京空襲写真の発掘と内容の解明に取り組んでいます。
 この中で、警視庁や軍関係の東方社・日本写真公社が撮影した東京空襲被害写真の残されている状況と、その全貌がわかってきました。この共同研究の成果があって、出版社の勉誠出版からのご提案により、写真を所蔵されているカメラマンのご遺族のご理解と協力を得て、『決定版 東京空襲写真集−アメリカの無差別爆撃による被害記録』を2014年1月20日に刊行することができました。
 写真集には現存する写真をほぼ網羅した約1400点の空襲被害写真を掲載しています。
初空襲、銀座空襲、下町大空襲、山の手大空襲、八王子空襲など、主要な空襲をすべて含んでいます。
 写真からは、アメリカ軍の東京空襲が軍需工場などの軍事施設のみでなく、教育機関、病院、神社、寺院、教会、繁華街、商店街などの非軍事施設をも破壊し、住宅地を焼き払い、女性や赤ちゃんなどの民間人・非戦闘員を殺戮するという非人道的なものであったことを読み取ることができます。
 写真集には写真とともに10点の関連図表・地図と東京空襲の概略、撮影者・団体の紹介、収録の経緯を書いた解説なども収録しています。
 戦後70年を迎え、体験者が語れる時間はわずかになっています。今後は追体験により戦争というものの実態を語り継いでいかなくてはなりません。追体験に必要不可欠なのは、事実に基づく史資料です。特に視覚に訴える写真の有効性は絶大で、今後の歴史・社会、平和教育に、大きな役割を果たしうるものと思います。是非、手に取ってご覧いただきたいと思います。
 『決定版 東京空襲写真集−アメリカの無差別爆撃による被害記録』刊行を記念して、戦災資料センター2015年第1回特別展「戦後70年にふりかえる東京空襲写真展」を開催しています。4月12日まで東京大空襲・戦災資料センター2階会議室(江東区北砂1丁目5-4 月、火休館 12時〜16時 入館協力費300円)
 この写真展には写真集に収録した石川光陽氏と東方社のカメラマン菊地俊吉氏、林重男氏、後藤種吉氏が所蔵していた東京空襲写真から代表的な写真約130点を展示します。
 この中には、東京大空襲・戦災資料センターの研究により、新たに発見された写真、撮影した空襲の月日や場所が特定されて、初めて展示される写真も含まれています。
 なお、東方社や日本写真公社などの撮影で、戦災資料センター所蔵の空襲写真は、主なものを3階の常設展示室で展示していますので、合わせてご覧ください。東京大空襲から70年にあたり、東京空襲の惨禍を見て、改めて戦争について考えていただきたいと思います。

 

東京大空襲・戦災資料センターのホームページ

<法学館憲法研究所事務局から>

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