法学館憲法研究所は、憲法を系統的に研究し、個人の尊厳の実現をめざす非政府組織としての自由な研究機関です

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一人一票を実現しよう!

2015年3月30日



工藤実和子さん(NPO法人一人一票実現国民会議事務局)

国民会議の紹介

 NPO法人一人一票実現国民会議は、憲法に基づいた参政権の行使をするために、一人一票の実現を目指す法人です。必要な情報を広く市民の皆様に発信し、また有志弁護士らによる、一人一票実現訴訟の応援もしています。私は約2年前にNPO法人の事務局に着任致しました。

一人一票訴訟の経緯と現在の訴訟

 投票価値の住所差別の違憲性は、1962年に越山康さんが提訴して以来、50年あまりにわたって問われ続けている問題ですが、いっこうに改善に向かわぬまま今に至ります。諦めに近い感覚をもつ有権者も少なくないのではないでしょうか。かくいう私自身もその一人でした。
 しかし、2009年に升永英俊弁護士・久保利英明弁護士・伊藤真弁護士(この法学館憲法研究所の所長です)を中心とした有志弁護士らが訴訟を提起して5年。日本の選挙制度の変革に迫る歴史的な判決が出され、動かずとされた山は確実に動き始めました。
 2009年の衆院選では東京高裁と札幌高裁が「合憲」の判決を出したものの、最高裁では違憲状態となっているとして、一人別枠方式を撤廃し憲法の要請にかなう立法をするよう命じました。その後の2010年参院選、2012年衆院選、2013年参院選では、全ての高裁・最高裁判決で違憲判決(違憲状態判決、違憲違法判決、違憲無効判決)、「一人一票の人口比例でなければならない」とした判決も7回ありました。昨年11月になされた最高裁判決でも原告の主張を全面的に支持する反対意見もあり、一人一票実現まであともう少しというところまで来ていました。
 2014年12月に行われた衆議院議員選挙の違憲無効確認訴訟が、選挙の翌日、295の全選挙区、14の高裁・支部に提訴され、3月30日現在で、11件の高裁判決が出されています。福岡は違憲判決、他8件は違憲状態判決でしたが、予想に反して、東京と高松では合憲判決が出されました。山口弁護士のグループも東京・大阪・広島の高裁に提訴し、東京が違憲状態判決、広島と大阪では合憲判決が出されています。一歩後退した印象は否めません。合憲判決はあまりに筋の通らない理論で、とても法律家の書いた判決とは思えない内容です。正しい判決をした裁判官にはエールを送り、司法が司法の機能を放棄することに対しては厳しい批判の声を上げていかなければ法治国家ですらなくなってしまうかもしれません。上告審に向けて、是非一緒に声を上げましょう。
 裁判の速報 http://www.ippyo.org/topics/2015020201.html

寄せられる疑問とその回答

 当法人に寄せられる疑問として、「地方の声が国政に反映されなくなってしまうのではないか」というお問い合わせを頂きます。
 例えば、北海道1区と東京5区が同じ0.48票。このことからも明らかなように、現在の住所差別はなんの合理性もないのです。仮に、少数意見に配慮するため過疎地域の投票価値を高くする区割りになっていたとしても、国会で議論される政策は、中央と地方の利益格差の問題だけではありません。配慮すべき少数意見は地域と関係なく、生活保護の受給者、派遣労働者、障がい者、非嫡出子・・・などなど無数にあります。そもそも国会議員は地域代表ではなく、全国民の代表であると憲法は言っているのです(43条1項)。私達は地元出身の国会議員を地域代表のように捉えがちですが、この感覚は正していくべきと思います。

一人一票にすること

 このHPをご覧の皆様はご存知と思いますが、主権者たる国民が、正当に選挙された国会における代表者を通じて、実質的な意味での多数決で、立法、行政を支配するというのが民主主義の大原則です(憲法前文第1段第1文、56条2項)。ですから、選挙は人口比例、つまり限りなく一人一票でなければなりません。
 今、政権は憲法を変えようとしていますが、不平等な価値で選ばれた国会議員に正統性はなく、その彼らが憲法改正を進めるという異常な事態です。一度動き出した大きな流れを止めるのは本当に難しいことですが、この日本の異常な事態を認識し、選挙の違憲性を確認することは最優先と思います。現状、日本は、国会議員主権です。一人一票が実現することではじめて、国民主権が実現します。主権者は私達有権者です。

一人一票実現国民会議のサポーター活動

 サポーター活動は、草の根活動につきます。有志で作成したティッシュやチラシ配り、毎週日曜日の21:00〜22:30には、Twitterで#ippyoをつけて一斉につぶやく、「一人一票つぶやき祭り」等、それぞれが出来る事に取り組んでいます。お寄せ頂いたご寄付での意見広告は毎回大きな反響を頂いています。衆院選前には国民審査の広告を掲載し、それを持参して投票に行ったというコメントも多数届きました。諦めていた投票価値の平等は、近い将来に必ず実現し、後世に残しましょう。皆さん、ご一緒にがんばっていきましょう。

 趣旨にご賛同頂ける方からのご寄付もお待ちしております。(当法人は、認定申請を目指しており、そのためには、3000円以上の世帯別寄附者が100人以上必要となります。)ご支援宜しくお願い申し上げます。   http://www.ippyo.org/bokin.html


◆工藤実和子(くどう みわこ)さんのプロフィール

学生起業で得た資金を元に世界を旅する。その後様々な業界を経験。ピラティスインストラクター、ベジタブルフルーツマイスターなどの資格を活かしてのイベントも開催。一人一票実現国民会議の事務局として全国各地で講演もしている。


<法学館憲法研究所事務局から>

 当サイトでは一人一票に関わって様々な情報を発信してきています。こちら。ご案内します。


 



 
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