法学館憲法研究所は、憲法を系統的に研究し、個人の尊厳の実現をめざす非政府組織としての自由な研究機関です

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10周年迎えた調布九条の会「憲法ひろば」

2015年5月4日



鈴木彰さん(調布「憲法ひろば」広報担当)


第101回例会などを案内するビラの一部

 調布九条の会「憲法ひろば」は1月25日、創立10周年記念「池辺晋一郎さんと平和を歌おう コーラスとトークのつどい」を開催しました。この「つどい」は、第1部の「鼎談」で、「イスラム国」の標的になっている安倍政権に「憲法9条を大事にすべきだ」と警告し、秘密保護法や集団的自衛権行使容認を「積極的平和主義」と称して強行する危険から平和憲法を守る共同した運動を大きくひろげるべきだと、熱く語られた奥平康弘さん(九条の会よびかけ人、憲法研究者、東大名誉教授、調布市在住)が、翌朝に急逝されたこと、インフルエンザの流行に見舞われ、130人の合唱団員の1割近くが当日参加できなかったこと、という2つの不遇に見舞われながらも、会場の調布グリーンホール1300の座席いっぱいの参加者からたいへんな好評を得ました。

2年越しで準備した「10周年のつどい」 幾千万の試練超えて

 私たちはこの「つどい」を一昨年から準備しました。憲法をめぐる情勢が厳しさを増す中で、従来とは桁違いの規模で「9条」の意義を訴えたい。「第九」を歌おうとか、市内の合唱団のジョイントコンサートをとか、すったもんだの末に、「音楽九条の会」の呼びかけ人でもある池辺晋一郎さんとの出会いがあり、池辺さんの曲を池辺さんの指揮で歌おうということになり、池辺さんと調布在住の奥平康弘・堀尾輝久さんの「鼎談」という第1部企画も生まれてきたものでした。
 実は私は、「お金払って歌う人がそんなに集まるのか?」と懐疑的でしたが、合唱団員募集に、ベテランから初心者まで130人を超える応募をいただいてびっくり。練習場所の確保や時間合わせにとりくむ仲間の情熱や、池辺さんがご指名くださった横山琢哉先生の熱心で厳しいご指導にも驚きながら、次第に合唱の楽しさにはまり込んでしまいました。
 調布市は1993年に「非核平和都市宣言」をし、毎年平和事業を行なっています。そこで私たちは「つどい」の後援を市に要請したのですが、私たちは思いがけない「試練」に遭遇しました。何と市は、「特定の政党を支持し、またはこれに反対するための政治活動」にあたるとして「後援拒否」の決定をしたのです。「憲法ひろば」の会則に「『九条の会』のよびかけに応え、憲法九条を守り、生かし、世界に向けて発信していく」ことを目的とするとあり、その「九条の会」のよびかけに「『改憲』の企てを阻むために一人ひとりができるあらゆる努力を」とあるからだというのです。私たちは、「九条の会」は政党ではないし、憲法を守ることは公務員の義務なので、これは市の規定からもはずれた政治的判断としか言えず、これは「九条の会」の運動への「介入」だという見解を市に示し、市民のみなさんにも知らせ、この「試練」をも「つどい」成功へのバネに変えました。 


10周年記念のつどいでの「憲法ひろば合唱団」

このまちで普通に平和に暮らしたい!  調布「憲法ひろば」の初心

 小泉政権が自衛隊をイラクに派遣し、憲法9条が危機に瀕していた2004年6月、大江健三郎さん、井上ひさしさん、奥平康弘さんなど9人の知識人が、全国津々浦々に「九条の会」をつくろうと呼びかけたことを受けて、8月20日に集まった調布の有志が準備を開始。9人の女性たちが「呼びかけ人」(「9女の会」と称した)になり、市内で生活し活動している各分野の人びとが500円の協力券の頒布を分担しあい、同年12月8日に「くすのきホール」を満たす480人の参加で「つどい」を開催。「9女と調布在住3知識人(奥平康弘・竹内常一・堀尾輝久の各氏)の対話」、歌と朗読の構成で熱気に包まれた「つどい」は、「このまちで普通に平和に暮らしたい!」「戦争する国はイヤ!憲法9条を活かし子どもたちに明るい明日を!」という「市民のみなさんへのよびかけ」を採択しました。

結論を急ぐよりも信頼と一致点をひろげよう! 「同円多心」の運営

 私たちは、「多数決で結論を急ぐよりもお互いの立場を尊重・理解・激励しあう」「信頼と一致点をひろげる」、そのために「月1回ていどの『憲法ひろば交流会』(後に「例会」と称す)を開きみんなで参加しましょう」という「運営についての申し合わせ」を中心に据えて、この10年間、模索と探求を重ねてきました。

@会費ではなく例会参加費とカンパで運営

  9条を守り生かすという1点を共有する個人の自由な集まりという原則に徹して、会費制・会員制はとらず、連絡先を登録してニュースやお知らせを受け取る。運営費用は例会参加費(毎回300円)とカンパで賄う。

A毎月の例会(学習会)

 05年2月の第1回「例会」で九条の会の高田健さんから「同円多心」の運動論を学んで以来、創立10周年にあたる14年12月までに98回、年開けて3月には第100回の「例会」(結果的に年10回程度)を開催してきました。

B「にゅーす」の発行

 「例会」の様子を伝え、次の計画を広報するために04年12月に「にゅーす第1号」を発行。14年12月までに116号、年開けて4月までに120号を発行してきました。

Cサイトの開設とメール通信網づくり

 「にゅーす」をいち早く読み手に届けるために、04年12月20日に「無料サイト」を活用して「ホームページ」を立ち上げました(その後、さすが無料の枠には収まらず、月額3000円程度の支払いをすることになりました)。また、メールアドレスの収集に励み、メーリングリストによる「にゅーす・情報の発信」を日常の広報の核に据え、これと「手配り」、数カ月に1回の「郵送」を組み合わせてきました。

D世話人会・事務局会議

 第1回「例会」で選出した16人の世話人による「世話人会」は10年8月までに69回開催しましたが、運営の拡充や「外交上の必要」が熟してきた第55回「例会」で、「会則大綱」(名称:調布九条の会「調布のひろば」、略称:調布「憲法ひろば」)、世話人態勢の拡張(世話人22人、事務局9人)を確認。以降15年3月までに事務局会議を52回、世話人会を20回(通算89回)開催して、企画・運営にあたってきました。

E合宿・フィールドワーク・「憲法を考える旅」の模索

 「例会」または別枠で有志を募り、多様なかたちでのイベントを模索。05年8月に初めて行なった「夏季合宿」は、08年まで毎年行ない、09年以降は毎年の「ロングラン例会」に発展。11年11月の「明治大学平和教育登戸研究所資料館・見学」以降、フィールドワークとして12年10月「第五福竜丸展示館と東京大空襲・戦災資料センター」、13年11月「日吉台地下壕」、14年10月「満蒙開拓平和祈念館(1泊)」を実施。06年5月に行なった第1回「憲法を考える旅」(ソウル)以降、07年8月(中国東北部=旧満州)、08年3月(沖縄本島)、12年12月(南京事件75周年、南京と上海) 、13年3月(ポーランドとアウシュビッツ・ドイツ)と重ねてきました。


2013年3月のアウシュビッツ訪問
第二収容所跡でガス室への道を辿る

F映画上映会、美術のひろば、そして10周年を歌う合唱団

 07年6月の映画「日本の青空」上映会を皮切りに、08年9月のマイケルムーア監督「シッコ」、09年2月の山村聰監督「蟹工船」、同10月の「猫は生きている」などにとりくみました。12年8月に開いた「調布美術のひろば」も、14年8月に第2回目を開き好評を得ています。いよいよ創立10周年を迎えるにあたって14年3月から『調布「憲法ひろば」合唱団』を立ち上げ、15年1月25日の「コーラスとトークのつどい」を成功させました。

G出版活動

 07年10月に行なった創立3周年記念集会での奥平康弘さんの講演録を『蹴りつけられたボールは蹴り返せ 私はなぜ「九条の会」に参加したか』というパンフにまとめて300冊印刷、同時に「にゅうす」でみる調布「憲法ひろば」の足跡(にゅーす第1〜41号の復刻版)を200冊印刷。出版活動の開始です。「にゅうす」でみる調布「憲法ひろば」の足跡(復刻版)は09年12月に「第42〜59号」(200冊)、15年1月に「第60〜116号」(300冊)を発行し、10周年記念パンフ「鼎談 九条と私 憲法破壊に立ち向かう」は1700冊印刷しました。

◆鈴木 彰(すずき あきら)さんのプロフィール

調布「憲法ひろば」世話人/北多摩中央医療生協調布支部運営委員/年金者組合調布支部役員/労働者教育協会理事
1940年生まれ。4歳で父と叔父の戦死、20歳で「60年安保」に遭遇。22歳で金属労働者、24歳で生協労働者となり、28歳で生協労連の結成に参与。以来、生協労連書記長、全労連副議長、中央社保協代表委員などを歴任。






 
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