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今週の一言

 

横田基地にCVオスプレイ配備 米軍基地強化は戦争立法と一体

2015年6月29日



煖エ美枝子さん(横田基地の撤去を求める西多摩の会代表)

「米軍再編」で日本はアメリカの戦争に巻き込まれていく

 首都東京に、普天間基地の約1.48倍の広い米空軍横田基地があります。さらに1都8県にまたがる広大な横田空域があり、羽田空港を離発着する飛行機の妨げになっています。
 米軍横田基地は戦後70年間、ベトナム戦争やイラク戦争などに出撃基地として、あるいは兵站基地として、関わってきました。
 この米軍横田基地が、2005年10月29日、2プラス2の「米軍再編」合意後、大きく変わってきました。これにより、アメリカの戦争に日本を巻き込む計画が動き出したのです。
 米軍横田基地には在日米軍司令部が置かれていますが、そこには日米共同統合運用調整所が置かれました。これは、日米が共同して、陸・海・空の自衛隊と陸・海・空・海兵隊の米軍が統合して、運用を調整するという世界を視野に入れた調整所なのです。ここで、日米司令部の軍事一体化が「フェイス ツー フェイス」の関係で、進められることになりました。
 もう一つは、米軍横田基地に置かれている第5空軍司令部(嘉手納、三沢、横田)に、航空自衛隊航空総隊司令部を府中から移転して、防空・弾道ミサイル防衛の拠点にすることです。
 航空総隊司令部は当初の説明では、600名程度、といっていましたが、2012年3月26日、自衛隊の運用が開始されたときには「航空自衛隊横田基地」の新設ということになり、人員も760名に増えました。そして現在は900名に増強されています。
 2012年から横田基地は、目に見えて変貌していきました。

あっと驚くパラシュート降下訓練 

 2012年1月10日、米軍100名によるパラシュート訓練が突然行われました。B29から焼夷弾が落ちてくる写真にも似て、まるで横田基地の上空は戦場のようでした。この部隊は、アラスカ州の第25歩兵師団第4空挺師団ではないかとみられます。
 その後も横田基地には、沖縄の米陸軍トリイステーション(読谷)の特殊部隊や海兵隊によるパラシュート降下訓練が行われ、その人数は2014年12月末までに1500名に上ります。2015年1月5日から9日までは、米空軍嘉手納基地の特殊部隊による大規模なパラシュート訓練がおこなわれました。その後も訓練は行われています。
 パラシュート訓練は、敵地に入り込んで背後から敵を襲うなど、戦争には欠かせない強襲訓練です。夜の方が敵に見つからない、ということで、夜間の訓練が多くなっています。この訓練は、沖縄の読谷補助飛行場で長い間行われてきました。しかし、死亡事故を含む事故が多発したことから、18年におよぶ闘いを経て、訓練は行われなくなりました。SACO合意により、読谷に代わって、沖縄・伊江村の伊江島補助飛行場に訓練は移転されました。しかし米軍は、伊江島補助飛行場に満足せず、広い嘉手納基地で、パラシュート訓練を実施しました。しかし、地元の沖縄市、嘉手納町、北谷町の首長と議会の強い抗議を受けたことから、2012年からは横田基地に移ってきたようです。
 沖縄では、パラシュート訓練がいかに危険か、読谷補助飛行場での様々な事故を身近に知っているだけに、すぐに抗議しましたが、横田基地の地元自治体は、パラシュート訓練が何であるか分からず、米軍にとって必要な訓練といわれればそうなのかと納得してしまい、未だに、反対の声を上げていません。

MVー22オスプレイが横田基地を拠点に、日本中を飛び回る

 米海兵隊普天間基地に配備されているMV-22オスプレイ2機が、2014年7月19日、横田基地に初飛来しました。北海道の自衛隊丘珠駐屯地に展示するためです。その後も、8月、9月、10月と横田基地に飛来しました。 2015年5月には、1機が飛来、富士演習場での訓練など、行っています。
 5月17日、ハワイでMVオスプレイが着陸に失敗、2名が死亡しました。原因究明もないまま、なんと6月4日には3機のMVオスプレイが横田基地に飛来しました。この日、1機は、東富士演習場で初めての夜間離着陸訓練をしました。しかも23回もです。6日は、3機そろって御殿場の近くの小山町や相模原の方まで飛行しています。
 MV-22オスプレイを普天間基地に配備するとき、政府は10万飛行時間あたりのクラスAの事故率は1.93%で低く安全といいました。そして、CVオスプレイは、特殊作戦という任務のため、より過酷な状況下で訓練するので、事故率は13.47%と高いといいました。

「CVー22オスプレイを横田基地に配備する」と日本政府

 CVオスプレイの事故率は高いと自ら認めた防衛省が、ここに来て、CVオスプレイのクラスA事故率は7.21%で安全だといって、横田基地に配備しようとしています。とんでもないことです。
 CV-22オスプレイの横田基地配備については、2013年7月29日、米太平洋空軍のカーライル司令官(当時)が、嘉手納基地とともに横田基地を候補に挙げました。福生・昭島・立川・武蔵村山・羽村市と瑞穗町で構成する横田基地周辺市町基地対策連絡会は翌日の7月30日、「CV22の横田基地への配備検討の撤回を求める」と強く要請しました。
 日米協議はしていない、そんな話はないと、ずっと否定してきた政府が、突然、接受国通報を受けたので12日に説明しに行く、と横田基地の地元自治体に、連洛してきました。さらに15日、「説明資料」を持って説明にきましたが、地元自治体は「説明が不十分」などのコメントを出しています。
 CVオスプレイは特殊作戦機です。各種事態が発生した場合に、アジア太平洋地域に所在する米軍の特殊作戦部隊を、輸送することを主な任務としています。輸送の対象となり得る米軍特殊作戦部隊の例として、米陸軍・第1特殊部隊群・第1大隊(トリイ通信施設)、米空軍・第353特殊作戦群(嘉手納飛行場)、米海軍・第1海軍特殊部隊(グアム海軍基地)、さらに、在韓国特殊作戦コマンド(キャンプ)・キム、ソウル)、太平洋特殊作戦コマンド(キャンプ・スミス海兵隊基地、ハワイ)と、国が持参した「説明資料」に載っています。
 横田基地には、CVオスプレイ10機の配備とともに、400名の特殊作戦飛行隊も新設されるようです。特殊部隊は、IS幹部を殺害するなど殺人や拉致は当たり前の任務です。憲法9条を持つ日本の首都の基地が、このような特殊作戦の出撃拠点になるのです。
 
地元では…

 私たちは7年前に「横田基地の撤去を求める西多摩の会」を立ち上げ、2009年4月から毎月第3日曜日の午後、基地の前の公園で座り込みをしています。砂川事件の「伊達判決」でも米軍基地は憲法に照らして違法だと判決を下しました。米軍基地は撤去すべきなのです。
 今、私たちの頭上では、横田基地所属のC130輸送機の飛行訓練が激しくなっています。低空飛行、急旋回、編隊飛行、夜間飛行など怖いくらいです。福生市のある測定地点での飛行回数は、2012年度は8,076回でしたが、2013年度は11,137回、2014年度は11,967回と大幅に増えています。部品落下事故も多いです。
 CVオスプレイの配備に対し、「これ以上の基地強化は許さない!」と福生市議会も決議を出しました。日本を戦争する国にさせない!オスプレイの配備は許さない!の闘いを、オール沖縄に学び、オール東京に、さらにオール日本の闘いにしていきたいと思っています。


◆煖エ美枝子(たかはし みえこ)さんのプロフィール

1942年1月16日生まれ。神奈川県川崎市出身。
日本平和委員会会員。
羽村平和委員会で「世界に平和を・戦争の基地はいらない」(横田基地ミニ情報)を発信。

横田基地もいらない!市民交流集会実行委員会にも参加。
現在、横田基地の撤去を求める西多摩の会代表。


 





 
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