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ママの会愛知のこの一年の取り組み

2016年10月17日



伊藤いく恵さん(全国ネットママの会全国代表者の愛知担当)

 ママの会は2015年の夏に京都に住む3人のお子さんを持つ20代の母親、西郷南海子さんが安保関連法案の反対の意思を「だれの子どもも殺させない」という賛同署名を集めた事で始まりました。10日で一万票を集め「ママたちの渋谷ジャック」という題でデモを行いました。全国の多くの母親たちが連携し「安保関連法案に反対するママの会」として誕生しました。普通のママたちが、わが子や世界中の子どもたちを守りたいと立ち上がったのでした。


ママの会@愛知のパレード

 それが、あっという間に全国に広がり、現在では各都道府県100か所以上にママの会があります。愛知でも7月には、フェイスブックでのママの会@愛知が生まれました。現在では180名がメンバーになっています。最初はまったく何をすればよいのか分からず、「安保関連法案に反対するママの会」と名乗って、デモ等に参加をしていました。

 またシールズとママの会が新聞等マスコミにこぞって取り上げて頂き、「ママの会は次に何をするのですか?」と逆に聞いてもらったので、次の活動を考えざるえない立場に置かれたことが、一歩進む後押しになったと思います。

 国会での答弁や新聞の情報でも、私たちにはとても見過ごすことができない方向に進んでいることが理解でき、先の戦争中に母たちがどんな思いで、子どもや旦那さんを戦地に送ったのか、それを繰り返さないためにも、私たちは行動し、「声をあげて行く!」そんな思いが重なりました。愛知県全域からネットの中で集まったメンバーですので、会えない分は毎日チャットです。次に何をすればよいのか熱い論議を重ねました。
 日中のママたちの論戦が、夜中のママたちの意見で方向が変わることも頻繁でした。当然意見の食い違いも出てきます。しかし、子どもを守るという一点で、最後にはキチンと納得する内容に収まるのでした。
 ママの会は全国で統一した司令塔があるわけではなく、各地のママたちは、その地域でできる行動をしていました。その情報はとても参考になりました。

 しかし、7月結成からあっという間に9月には強行採決をされて、安保関連法案に反対するママの会から、安保関連法に反対するママの会になってしまいました。

 それからすぐに私たちは子連れで集まれるように動物園でのピクニックを計画しました。これからの活動をどうするのか、初めて顔を合わせて話し合いをしました。全部で一万円のカンパを集め、愛知での執行部の3人を決め、ママの会愛知のグッズを作る手順づくり、各自に地域でもつながりを作っていく事、参議院選挙に向けて、国会議員に懇談会の申し入れをする事が決まりました。

 10月後半から、書面による申し入れに返事をいただき、緑の党を皮切りに、日本共産党、民主党、社民党、おおさか維新、減税日本など地域の議員さんと懇談をさせていただきました。

 ママの会からは

 ・立憲主義を愚弄する安倍政権は許さない。
 ・参議院選挙には必ず与党に勝つ。そのためには死に票を出さない。
 ・野党共闘をしてください。

 要求はそれだけでした。

 しかし、政党からは「ママの会は何票持っているのですか?」「政党には政党の考えがある」「国民には見えない景色がある」と色よい返事はかえってきませんでした。

 その後、いろいろな角度からの活動で、10月から11月にかけて愛知県4か所で、弁護士を招いてのマイナンバーカフェという名前で勉強会を開催しました。


名城公園でのお花見会

 1月には「ママたちのパレード♡栄」ママの会愛知のオリジナル風船を1000個膨らませて、国会議員さんも招き、子どもたちと歌いながら、愛いっぱいのデモ行進。
 2月には、ママの会の発起人の西郷南海子さんのお話会、4月には、国会議員さんたちとの名城公園でのお花見会をし、メンバーと市民と議員との距離を縮めるための活動を続けました。
 政治に関心を持ってもらうために、八事興正寺のマルシェで、手つくり作品を売りながら、憲法カフェ、投票ボードにシール投票、憲法クイズをするなど、手探りに活動をしてきました。

 ママの会愛知はリーダーのいない「渡り鳥方式」の活動です。アイディアが出てきら、できる人、希望する人がリーダーをやり、協力できる人が参加する。だから次々と先の企画が同時進行で進めることができたし、疲れたら休むこともでき、日常の生活の中に活動を取り入れることができました。

 その中の大きな動きが「市民連合@愛知」だと思います。そのころ、一人区では全国各地で市民連合が立ち上がり始めていました。愛知では当選4人の複数区。与党は自民党だけではなく公明党からも出馬予定、最終8名もの乱立になりました。
 最低でも二人の野党候補者の当選、できれば三人当選に持っていきたい!! その実現には野党共闘をするしかありません。私たち愛知でも市民連合を作る!!との思いが強くなっていったのです。

 そして奇跡とも言えるのですが、ママの会のメンバーに名古屋大学の特任講師がいて、職員メールで教授に直接メールをして話を聞いてもらえました。そして「学者の会」「シールズ」「立憲デモクラシーの会」「ママの会」が呼びかけ人となり、2月19日に市民連合愛知が誕生しました。
 しかし、すんなり結成に至ったわけではありません。一人区では市民連合に効果があるが、複数区では、役に立たないと躊躇されたのは事実です。そこはママの会、怖いものはありません。決めたのならば、やってみる、進んでみる、会ってみる、話はしてみる。しがらみがない強さです。
 ただあの時にもっと頑張っていればこんなことにはならなかったのに、と後悔はしたくない、その一心です。

 4月には中区役所ホールで300人参加のシンポジウムを開催。8名の立候補予定者のうち3名の方々に市民連合と協定を結んでもらいました。
 命を守る立候補者を当選させたい。
 2月に民進党から小さな子どもを持つママ立候補予定者が決まり、私たちとしては、命を守る立候補予定者として共産党のすやま初美さん、民進党の伊藤たかえさんを推すことを決定し、がっつり応援をする予定にしました。

 しかし、市民連合として協定書を結んだのは、民進党の斉藤よしたかさん、共産党のすやま初美さん、社民党の平山良平さんの3候補でした。
 実は民進党の立候補予定者の伊藤たかえさんが協定式前日に、連合と共産党の絡みで(想像です)、市民連合とは協定を結ばないと返事がありました。ママの会としては女性を国会に送りたいと思っていたので、とてもがっかりしました。

 でも私たちはどこまでも柔軟です。渡り鳥方式で頭を変えて、長年愛知で女性のために活動をしていた方々、そして地方議員として活躍をしている方々と手を繋ぎ、命を守る立候補予定者に絞って応援する「いのち♡女性ネット」を4月に立ち上げました。ママの会は素人の集まりの団体ですが、素人の集まりだからこそフットワークが軽いのです。

 6月から7月にかけて、私たちは市民連合のプラカード、いのち♡女性ネットののぼりをもって、各候補者の街頭演説に手分けをして応援にかけつけ、実際応援のスピーチなども各地で行ないました。
 選挙前に、全国で「ママの会としては、応援候補者を決めません。ママの会の一個人として選挙応援をしてください」と共通認識は発表されていました。結果は残念ながら、愛知では、自民党、公明党、民進党2人となり、ママの会が目指した野党共闘で3人当選とはなりませんでした。素人の行動で選挙結果が一気に動くものではない、と思い知らされた選挙となりました。

 怒涛の一年を過ごし、ママの会は短期決戦という認識だからこそ参加できたという人、普通の生活に戻りたいと思う人はいました。しかし、選挙後の話し合いで、「このままママの会があることに意味があるではないか」という意見も強く、政治に対して興味がなかったママたちが、すこし政治について考えたいと思った時に「ママの会@愛知」が拠り所となる存在になればと考えました。

 これからの日本がどのような道に行くにのかわかりませんが、私が引退するときには娘世代が代わって行動をしてくれるでしょう。

 これからの行動は自民党改憲草案による改憲には絶対に反対する。
 そのためのママの会愛知では新しいパンフレットを作成しました。

 「マジ、日本やばくない?」という可愛らしいイラストの表紙で
 緊急事態条項マジやばい!!と3行以内の文章とイラストで作成をしました。

 ますますネットワークを作る必要があります。
 単独では何もできません。繋がりましょう。

 黙っていてはいけません。
 寝ていてはいけません。
 あきらめてはいけません。
 世界中のママたちが手を繋げば争いは防げます。

全国ネットママの会@愛知

◆伊藤いく恵(いとう いくえ)さんのプロフィール

1959年名古屋生まれ。
医療事務として大学病院勤務後、25歳で結婚。
27歳と29歳で子ども出産。家業の印刷関連に勤務。
特定秘密法案に危うさに驚き、政治に対して関心を持つ
2015年7月、ママの会の参加、全国ネットママの会全国代表者の愛知担当。



 



 
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