法学館憲法研究所は、憲法を系統的に研究し、個人の尊厳の実現をめざす非政府組織としての自由な研究機関です

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日の丸・君が代訴訟を検証する――公共訴訟研究会(4/2)

2011年4月11日

 4月2日、法学館憲法研究所は公共訴訟研究会「日の丸・君が代訴訟を検証する―どのようにしてピアノ最高裁判決≠のりこえていくか?―」を開催しました。
 いま東京都立学校の入学式や卒業式で、教職員に対する国旗掲揚・国歌斉唱の強制が行われています。それは東京都教育委員会の通達にもとづくものです。国旗掲揚・国歌斉唱の強制は教育の本質に反するとともに憲法の保障する思想・良心の自由を侵害するものだとして、これまでいくつのも訴訟が提起されていますが、この訴訟の最近の下級審判決の圧倒的大部分は同じ判断枠組みに囚われています。2007年2月27日、最高裁がピアノ伴奏拒否事件(東京都日野市立南平小学校・ピアノ伴奏拒否事件)の判決を出しましたが、その内容がその後の日の丸・君が代訴訟の下級審判決の判断枠組みになっているのです。つまり、東京都教育委員会の通達にもとづく教職員への国旗掲揚・国歌斉唱の職務命令は思想・良心の自由を侵すものとはいえない、ということです。
 2010年10月、この訴訟で浦部法穂・法学館憲法研究所顧問(神戸大学名誉教授)が国旗・国歌の強制に反対する教職員側の証人として裁判所で証言をしました(こちら)。今回の研究会はこの訴訟の教職員側の弁護団の方々とともに開催し、「どのようにしてピアノ最高裁判決≠のりこえていくか?」を検討しました。
 研究会ではまず、担当の弁護士から、国旗・国歌の強制の違憲性を裁判所に認めさせるためには、思想・良心を侵害される個人の内心に光を当てて論ずる方法と思想・良心を侵害している事柄の性質に着目して論じる方法があり、今後の訴訟での弁護団の主張は後者を基本に展開すべきではないか、とする問題提起が行われました。その後、浦部顧問や憲法学者が理論的学問的見地から、そして昨今の裁判所・裁判官たちの問題意識とその動向もふまえたコメントをし、弁護団の他の弁護士などと活発な議論が行われました。(浦部顧問の論稿「国旗・国歌強制のほんとうの問題」(2011年2月3日)は当サイト「浦部法穂の憲法時評」のページに掲載されています。こちら。)
 日の丸・君が代訴訟では、思想・良心の自由の問題とともに、公務員は一般の国民よりも人権を制限されることになっている問題も重要な論点です。研究会ではこのことをめぐる最近の裁判例の動向も報告され、この点についての研究の必要性も議論されました。
 今回の研究会にはこの訴訟にたずさわっている多くの弁護士とともに訴訟の原告の方々も多数参加されました。また、大学の法科大学院生や法学部生も参加されました。
 法学館憲法研究所の公共訴訟研究会はこれが第3回目でした(第1・2回の模様はこちら。)。公共的な課題での訴訟において憲法とその理念が裁判の判決に反映されるよう、その訴訟の具体的経緯と問題状況をふまえて研究すること、そのために浦部顧問等の憲法学者と法律実務家の連携をより深め広げることはいよいよ重要です。法学館憲法研究所は公共訴訟研究会の活動をいっそう強化することにしています。
 (法学館憲法研究所事務局)


 

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