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税のとり方について憲法はどう考えているのか −公開研究会「消費税と憲法」(3/23)に向けて

2012年2月27日



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 法学館憲法研究所が3月23日(金)に開催する公開研究会「消費税と憲法 −応能負担原則を問い返す」に期待する声を寄せていただいています。
 税のとり方について憲法はどう考えているのでしょうか。このことを重要テーマとして考える公開研究会の開催にあたり、情報提供いたします。
 (法学館憲法研究所事務局)

 2008年に刊行された『新版 体系憲法辞典』(杉原泰雄編・青林書院)は憲法84条の租税法律主義についての解説の中で、「租税立法が憲法適合的なものであることも租税法律主義の要素と位置づけられる。租税負担の平等の原則(憲法25条などが示す福祉国家理念に基づく応能負担の原則も含む)・・・などは、その内容をなすものといえる」と記述しています。応能負担原則はまさに憲法に基づく考え方だということです。
 ただ、憲法の教科書・基本書などで応能負担原則に直接的に言及するものは多いとはいえません。今回の研究会はこのことについて探求する意義深い機会になるでしょう。
 なお、この問題は憲法学においては平等原則(14条)に関わることとして解釈されることが多いと言えます。今回の研究会でコメントする、法学館憲法研究所の浦部法穂顧問(神戸大学名誉教授)は著書『憲法の本』(共栄書房)で税に関わる平等原則について次のように明確に説いています。

「・・・憲法上の平等原則は、人にはそれぞれいろいろな違いがあるけれどもそういう違いは考慮せずに法律上等しく取り扱うべきだ、ということを要請していることになる。それは、考えようによっては、非常に形式的な平等を意味することとなる。たとえば、現実に大きな貧富の差があるにもかかわらず、貧しい人からも豊かな人からも同じ額の(あるいは同じ率で)税金を徴収するということになれば、税額(あるいは税率)が同じという点で法的な取扱いにおいては平等であるが、実質的な負担は貧しい人のほうがはるかに大きなものとなる。つまり、形式的には平等であっても実質的には不平等になってしまうのである。こういう場合には、実質的な平等を達成するために法律上『等しくない』取扱いをすること(所得によって税率に差を設けるなど)が、『平等』の実現のためにはむしろ要請されるといえよう。」

 いま政府が消費税増税の法案を国会に提出しようとしていますが、税をめぐる諸問題をトータルに考えつつ、真の平等とは何か、という観点からも税のとり方について考えていく必要があるでしょう。公開研究会「消費税と憲法」は日本国憲法の平等原則についての理論的な確信を広げる重要な機会になります。

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