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「安保法制違憲訴訟(国家賠償請求)第8回口頭弁論報告集会(7/20)」開催さる

2018年8月27日


 2018年7月20日(金)安保法制違憲国賠訴訟の第8回期日が行われました。今回の期日は、先に申請しておりました8名の証人について、その採否が決められることになっていました。予測していたことではあるのですが、証人8名とも不採用となり、その場で、裁判官3名に対し、忌避の申し立てをしました。
 これを受けての報告集会です。
 まず、寺井弁護士から挨拶と本日の概要の説明がありました。
「体調が悪かったのですが、裁判官を忌避する必要があるので、今日まではと思って、がんばってきました。
 安保法制違憲訴訟は、最初から厳しい闘いになると予想されていました。きょう法廷で忌避申し立てをした際の拍手とみなさん方の言葉を聞きながら、よし、これからが闘いの始まりだ。仕切りなおしだと思いました。
この訴訟には2つ意義があると思います。絶対に戦争する国づくりをさせない。もうひとつは、内閣や安倍の意向ばかり忖度している裁判所が、三権分立の下での司法権独立、裁判官独立ということを果たしていない。民主主義国家として、先進国として、そのような裁判所の姿勢をわれわれは認めるわけにはいかない。
 新しく着任した前澤裁判長はエリート中のエリート。これは危ないなと思っていました。前の裁判長は二人とも連絡すれば会ってくれましたので、今回も連絡したところ、会う必要はないと断られました。何の記録も読んでいないので会っても意味がないとのことでした。 
 その10日後、国側を入れた三者協議がありました。その場で、前澤裁判長は、証人採用については消極的であると言ったんです。弁論の更新はその後、その前の非公式の協議での発言です。
 今日の結果(※8名全員を証人採用しないこと)は予測していましたが、1名でも2名でも採用してもらおうと、半田滋さんと西谷文和さんと前田哲男さんは海外の紛争地を回って自らの体験した事実を語れると3名に絞ったんですが、聞く耳持たないと一蹴されました。
 気を取り直して、これからの戦いをすすめていきます。みなさんも、この歴史に残る戦いを勝ち取ろうではありませんか。」

 次に、今日の裁判と今後の動きについて、弁護団のメンバーから着席順に以下の発言がありました。
北澤貞男弁護士「隣の喜多村さんと私は、定年まで裁判官をしていました。1名でも証人を採用してくれないかと願っていました。今日は却下され、がっかりし、裁判官の権力に対する考え方に怖さを感じました。裁判官には法廷の始まる前と終わった後の秩序を守る法廷警察権があります。そのような権限を持つ裁判官が退席せず傍聴席を冷静に監視している姿を見て、国家の権力を傘に着ていると感じました。」

喜多村治雄弁護士「法廷での裁判官の態度を見ていました。みんなの言うことを本当に真剣に聞いているのか分からない。忌避申立は当然のことです。手続法の立場からは、忌避の申し立てをしてもほとんど勝ちません。しかし、今日の忌避申立に際して、うねりのような声が上がりました。これは、裁判官に対する大きなプレッシャーになります。」

角田由紀子弁護士「裁判官の中にああいう完璧な人、官の側について完璧な人がほんとうにいるんだなと、目の前で改めて確認しました。裁判官がどういう態度をとって、どういう考え方で国民に向き合うかは、わたしたちの側がどういうふうに訴えかけるか、どういう風に主張するかに大きなつながりがあります。」

福田護弁護士「昨日、最高裁が、君が代の斉唱時に起立しなかったため、再雇用を拒まれた教員に対し賠償を命じた高裁判決をひっくり返しました。第一小法廷、山口厚裁判長が出した判決です。山口厚という人は、元々刑法学者でしたが、日弁連推薦の候補をすべてはずして、内閣が最高裁判事に任命した人物です。その背後には、安倍政権の意思が働いていました。最高裁の対応が、ここのところ心配されていました。そういう中で、最高裁で任用課長という人事部中枢にいた人間(前澤裁判長)がこの裁判に乗り込んできました。そして今日の証人採用却下の決定をしました。そういう流れです。
 司法が最後の砦。そこのところをこの裁判を通して突破していかないと、日本全体が本当にまちがった方向に行ってしまいます。忌避の申立はそういう意味もこめて、闘いの狼煙を上げたのです。」

古川(こがわ)健三弁護士「今回、忌避をするかどうかは弁護団で激論しました。理屈の話をすれば、忌避が通るのかと言えば、ある程度の見通しはあり(※忌避が通ることはまずない)、無駄なことをやるのはどうかという意見がないわけではありませんでした。しかし、今日、寺井先生が「忌避します」とおっしゃって、それに呼応するように大きな拍手が巻き起こりました。やはり、忌避を選んだことは正解だったと思います。われわれは筋を通したということを残しておく必要があるのです。」

伊藤真弁護士(法学館憲法研究所所長)「裁判官が、原告の話を聞かない。証人の話などを聞かなくても正しい判決を出せるという奢りがある。自分が裁判の主人公だと思っている。当事者の声や証人の話を聞いた上で正しい判断をしようという考えでは全くない。裁判官に限ったことではなく、権力を持っている人はみな同じです。自分達のやっていることは正しいと思っています。裁判は原告のみなさんが主役。主人公、主体はわたしたち。そこをきちっと思い知らせる意味で、今回の忌避には意味があるのです。」

黒岩哲彦弁護士「東京大空襲訴訟の弁護団事務局長をやっています。戦争末期、東京では10万人亡くなっています。軍人軍属には保障があるけれども、民間人にはなんら保障がありません。この裁判は、結論的に主文としては負けましたが、理由の中で、戦争被害だから我慢しなさいとは書かせなかった。国会で解決しろと判決文の中に書いた。これによって、超党派の議員連盟ができまして、すべての政党と一緒になってなんとかしようというところまで進んでいます。裁判の主文の勝ち負け以上に、裁判を力にして、社会的な成果を上げていくことができます。
 本件は、憲法闘争ですので、最終的には戦争を廃止する目標のために、裁判闘争を力にして頑張っていきたいと思います。」

杉浦ひとみ弁護士「直前に裁判官に話しに行きました。一番印象的だったのは、裁判官から、「この裁判は、傍聴の方たちは粛々とやっていると聞いていますが、次回はどうでしょうか?」と聞かれたことです。すごく警戒しているんです。警備の話までしました。思わず、「暴動など起こしません。」と言ったところ、「まさか」と言うかと思ったら、「そういうこともあるかもしれないとちょっと考えていました。」と言ったんです。どれだけ裁判官は国民のことを知らないのか、すごくおびえていると感じました。」

ニュースNo.10に忌避申立理由書の全文を記載しましたので、ぜひ、ご覧ください。
http://anpoiken.jp/ikensoshounokainews/
 なお、忌避申立については、8月10日裁判所から結果が出たとの連絡があり、14日に受け取りました。「本件申し立てをいずれも却下する。」というのが、地裁の結論です。これを受けて、20日抗告状を提出しましたので、今現在、高裁からの連絡を待っているところです。従いまして、国賠訴訟の次回期日は未定となります。
 安保法制違憲訴訟の動きに、これからも注目してください。
http://anpoiken.jp/


 

 

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