教員が集う 中高生のための映像教室 『憲法を観る』
 
 
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「憲法を観る」観賞と学習・討論会
2010年5月31日
 

 2010年5月23日(日)、「憲法と共に歩む」製作委員会は、「憲法を観る」の観賞と学習・討論会を開催しました。
  学習・討論会には21人の高校生と中学・高校の教員9名などが参加しました。
  学習・討論会では、まず、「憲法を観る」の第1章と第5章を観賞しました。
  つづいて、高校生の発言のコーナーとなり、第一部と第二部に分けました。
  第一部では学校のルールの中で高校生たちが、おかしいと思ったルールをあげてもらいました。この映像教材は、「個人の尊重」が憲法の基本的価値であることを強調する内容になっています。「個人の尊重」を中高生がリアルに理解する上で、少なくない中高生は校則など学校の諸ルールによって個性の発揮が妨げられると感じていることを憲法との関連で考えてもらう必要があるからです。実際に高校生たちから、服装や髪型などについて理不尽と思える校則の例などが出されました。
  個人を尊重することとルールを守ることをどう考えるのか。高校生たちの発言をふまえ、伊藤所長(=伊藤塾塾長)は服装の自由に対して、どのような規則が妥当かは難しい問題だが、ルールの範囲内では自由であること、ルールの策定にあたっては当事者もその実践への参加が保障されるべきこと、などについて憲法の視点でコメントしました。
  休憩をはさんで、第二部では「憲法を観る」の感想を述べてもらい、「身近な例を出して憲法の大事なことを学べた」「民主主義という制度にも欠点があるということがわかった」などの感想が出されました。

 最後に伊藤館長が、まとめの話をして、終了しました。

 以下にアンケートの一部を掲載しましたので、ご覧ください。

<DVDの感想>
私にとって憲法は“文章”で“固いもの”でした。けれど今回「映像」というカタチで見ることで理解が深まったし、新鮮な気持ちです。(高校3年生)

 より身近な例を出してくれて、憲法を自分と結びつけて考えることができた。難しい憲法を要約してくれて本質をつかめたような気がする。歴史を勉強する意味もちょっとわかった。
マスメディアの情報をうのみにせず、自分の意見をしっかり持つことが大切だと思った。多面的なものの見方を身につけていきたい。(高校3年生)

 第1章 − すごく身近な問題を導入として取り入れられていて、憲法を少し身近に感じることができました。民主主義・民主政治にも欠点があることがわかりやすく明らかにされていて良かったと思います。ただ、世論、メディアを「批判的に受けとめる」というのは、とても難しいことだと思いました。
第5章 − イラク派遣の問題はとても興味深かったです。私たちが払っている税金も米軍・自衛隊への資金になっていると考えると、私たちと全く無関係ではないと考えました。(高校3年生)

第5章で、民主政治の多数決は必ず正しいものとはいえない、という点は、ついつい私たちが忘れてしまいがちだが、少数派であっても憲法によって守られているからこそ、現代では人々が自由に発言できる社会が成り立っているのだとわかった。(高校3年生)

 3000人の市民が自衛隊のイラク派遣についての違憲判決を出させたということをはじめて知り、とても驚きました。憲法を“使う”という発想が新鮮でした。(高校3年生)

一番印象に残ったのは国民主権・民主主義というところのナチスの例です。指導者がメディアを利用して国民の意見を左右してしまうという現象に驚いた。(高校2年生)

 学校で学んだことをさらに深く理解できて、とても面白かったです。(高校2年生)

 第1章 − (学校の中で生徒たちが)意見を言い合う機会はあまり与えられていないのは確かで、ビデオの中で与えられていた場(注:三者協議会のこと)はとてもうらやましいと思った。実際、話そうと思えば、私たちは多くの意見を持っていると思う。価値観は人それぞれ違うから議論・反論は起こるだろうし、その言い争うことが必要だと思った。

 第5章 − 日本がイラクに自衛隊を派遣したことは、私はよくないと思う。日本の自衛隊の意向とは無関係に、現地の多くの人々は、日本は戦争に参加したと考えると思う。(高校3年生)

第1章の「協調性」と「個性」の対立はおもしろかったです。誰もが考えることであるし、どちらも大切で、折り合いをつけるのに苦労するものです。このDVDによって決して答えが出るわけではないですが、答えを出すための情報としてとても良かったです。(高校3年生)

 第1章では個人が尊重されることについてのものでした。自分が当たり前だと思っていることも、憲法があって成り立つものだと気づかされました。(高校3年生)

 必ずしも、少数派=正しくない、というわけではないのだとわかりました。(高校3年生)

<ディスカッションの感想>
このように議論する場、そしてその問題をお互いに共有できるのは、とても素晴らしい機会だったと思います。他校の小さな問題から憲法の深い問題まで考えさせられました。私たちの所属する社会や高校のあり方の中の理不尽さを感じること、私たちがルール作りに参加することが大切であること、議論していくことが必要なのだと思いました。(高校3年生)

 身近な観点から憲法のことにつながって、分かりやすくなりました。(高校3年生)

 様々な規制が憲法に反しないかどうか、それは決して反してないとはいえないと思いました。それを自覚している生徒、先生はどれだけいるだろうという疑問がわきました。

 「ルール作りに関わる」という点では、学校の校則の理不尽さはまだあると思いました。私たちにできることは、それは仕様がないとあきらめるのではなく、主権者として権利を訴え続けることだと思いました。(高校3年生)

 自分の持った意見とは異なる視点でみた意見を聞けて良かった。色々な学校の規則が知れてよかった。(高校2年生)

 同じ世代の違う立場の人の話を聞けて楽しかった。違う人の意見や見方がおもしろかった。(高校3年生)

  身近な学校の校則について、ルール作りに関わることから参加していれば、みんなの決めたルールなのだから、その中に自由が存在するし、生徒も納得できるようになるのだとわかった。三者協議会などが効果的であるように思えた。(高校3年生)

 人間は信頼する、強い権力というものは疑ってかかる、ということが憲法の基本的な考え方であるとの伊藤先生のお話がとても印象的でした。徳之島への基地移設問題について伊藤先生に答えていただき、自分でも微力ではありますが、何か出来ることはないかと考えるきっかけになりました。(高校3年生)