教員が集う 中高生のための映像教室 『憲法を観る』
 
 
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憲法は私たちの中にある
小学生と学ぶ憲法の世界3 「憲法教育フォーラムの話題」
2011年4月18日
佐藤広也さん(北海道札幌市立小学校教員)
 

小学生だって憲法はそばにある
  「あたらしい憲法のはなし」を学ぶ意味を考える。「戦争放棄」の文字を隠したこのものを見せる。上から入れた物は何かを書く。下から出てきた物を書く。象徴的な絵なのだが。みなさんにお聞きする。どうでもいいことなのだろうがずっと気になっていることがある。それはこの「もの」はなんであるのか、ということだ。多くの憲法学者に片っ端から聞くのだが明確な答えがない。どうでもいいといえばそれまでだ。私は、これまで鉄作りや青銅鏡作りで金属を扱ってきた。溶鉱炉ではない図案である。私はこれは「るつぼ」だ、と教えてきた。どなたか正解をお持ちではないか?

復刻版発行
日本平和委員会

  さて、今回の6年生たちもこの「るつぼ」を憲法探偵団をしたわけだが、上から入れる戦車や戦闘機などの類と下から出てくる船や鉄塔、ビル、消防車などはわけもなく答える。「それでは上から入れたものをまとめてなんといいますか?」の答えは多くが「戦争」であった。下からでたものは「平和」というのが圧倒的だった。その中に、「未来」と書いた物があったのだ。感動した。下から出た物をもう一度上から入れると・・・・出てくる物は・・・「何度入れても平和や未来」という意見の反面、「戦争」という答えもある。世界はまだどこかで「戦争」をしているのだから。だがこの「るつぼ」の隠された4文字、戦争放棄の働きがある限りは平和と未来が生まれることになる。だがそこが「改正」されるとどうだろう。子どもたちは動揺した。

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日本平和委員会

  5年生のイタイイタイ病の授業でも憲法や裁判を扱い模擬裁判もした。命の値段について学習し、逸失利益計算機のホームページで「命の値段」について考えた。模擬裁判では一品アイテムを作って裁判に参加した。 ある子は弁護士バッジだった。秋霜烈日バッジもあった。むしろ旗があり、会社のバッジ、極めつけは「遺影」だった。証言台にたって遺影をもった遺族役の子は、「返してくれ!」をただ繰り返した。そこには難しいことばはいらない。
  すべての社会科の原点には、「人権」の人類の多年にわたる獲得の歴史がつまっていてそれを継いで未来を創る一人としてまた類的存在としての自分たちに気づいてほしいと念願するのである。もはやとっくに原稿の分量はオーバーしているのでこの辺でやめるが、突然だが、私は生物多様性から平和を構築するということを考えている。
例えばニホンザリガニの保全の問題は、長沼事件を新しい視点捉え直すことができるのではないかとも思うのだ。
  青空は財産だから守ってね (94条)という一句を以前の6年生の作品に見たときに衝撃が走った。なるほど、子どもはあなどれない、なんて素敵なものか。

 
【佐藤広也(さとう ひろや)さんのプロフィール】
北海道札幌市立小学校教諭、北海道教育大学生活科教育学講師、ザリガニシンポジウム実行委員会、宮の森芸術フェスタ新・森・しん、読書のアニマシオン研究会世話人、学びをつくる会世話人。
著書「子どもたちはワハハの俳句探偵団」「動物園のアニマシオン」
憲法教育に関する主な共書
「初めてのアニマシオン 一冊の本が宝島」(柏書房)、「ちゃんと憲法を学ぼう」「楽しくわかる6年生の授業」(大月書店 新刊) の他、「教育」「食農教育」「子どもと教育」「歴史地理教育」「立命館大学国際平和ミュージアム研究紀要」など。
asahi.com(朝日新聞社)の「花まる先生 公開授業 − 奈良の大仏探偵する」に登場。
http://www.asahi.com/edu/student/teacher/TKY201006130107.html