教員が集う 中高生のための映像教室 『憲法を観る』
 
 
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税金はとられるもの?
2011年6月6日
川西京也さん(東京税理士会町田支部 税理士)
 

 東京税理士会町田支部が租税教育活動を始めたのは、平成13年の税理士法改正がきっかけだった。当時税理士会執行部においては、税理士法改正においていかに今までの既得権益を守り、また拡大するかということに躍起になっていた。業界の執行部としては当然だが、果たしてそれだけでいいのだろうかと若干疑問を抱いた。税理士の社会的存在意義がなければ今、法改正で頑張ったとしてもいずれはなくなってしまうのではないだろうか。では、われわれ税理士の社会的存在意義はなんなのだろうか。そのような中で思い当たったことのひとつが、「われわれ税理士は、民主主義の原点ともいわれる申告納税制度を担っているのではないか」ということだった。日本国憲法において主権は国民にあると謳われた。ということは主権者たる自分たちのために使う税金を、自分たちが選んだ議員を通してその集め方、使い方を決める。もっと簡単に言えば、自分たちのために使う税金を自分たちがその集め方、使い方を決める。その自分たちが決めた集め方のルールに従って、自分自身で自分の税額を計算して申告し、確定して納付する。まさに民主主義の原点であるといわれる所以だろうと考える。そのような中で何故一般に「税金はとられる」という言い方をされるのだろうか。考えてみると税について学習する機会はほとんど皆無であったことに気が付いた。有志で租税教育推進委員会を立ち上げ、その後10年に亘る租税教育活動は、委員会で作成した「租税教育基本理念」に基づき、税を通して、自分たちが主人公であること、積極的に社会に参加することと、思いやり助け合うことが大切であることを中心としたものにしている。具体的な活動は、主に小学6年生(今年は中学3年生も)を対象とした租税教室(学校に出向いて例年10校程度)、市内の小学校5,6年生の希望者を募って行う「子供たちの税サミット」(例年15人程度)、 小、中学校の教員(例年20人程度)と行う「税理士が行う租税教育シンポジウム」、それと「租税教育かわらばん」の発行といったところである。租税教室でのシナリオは、講師を担当する人がそれぞれ自分で作るが、基本理念に沿ったものとなっている。憲法との関係では、国民主権、租税法律主義、思いやりを絡めた基本的人権、そして三大義務といったところである。さて、勤労については義務と権利、教育についても義務と権利があるが、納税については義務だけがあるように思われている。しかし、はたして義務だけだろうか。自分たちのために使う税金を、自分たちがその集め方使い方を決め、その集め方のルールに従って納税する権利を得ていると私は考えている。税とは優れて積極的に又前向きにとらえてゆくべきものであろうと思う。
以下に租税教育基本理念を掲載しておきます。

租税教育基本理念
東京税理士会町田支部
租税教育委員会
日本国憲法において国民主権が謳われ、民主主義を基本とした国
  家が生まれた。自分たちのために使う税を、自分たちでその集め方・
使い方を決め、自分自身で税額を計算確定し申告納付する申告納税
制度は、民主主義の根幹を成すものである。
  わたしたち税理士は、わが国唯一の税の職業専門家として、この
制度の適正な運用を担うだけに留まらず、租税教育を通してその本
質を広く社会に広報し、一人一人の国民が主人公であり、思いやり
助け合うことの必要性、社会に積極的に参加することの重要性を共
に学習する。
 
【川西京也(かわにし きょうや)さんのプロフィール】
1953年 北海道登別市生まれ
1985年 税理士登録(東京税理士会)
現職   東京税理士会町田支部相談役
      TKC西東京山梨会副会長
      町田商工会議所監事
      東京登別げんきかい副会長
      白金法学会監査委員