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映画「ハーモニー 心をつなぐ歌」


                              

NPO法人「人権・平和国際情報センター」(略称:HuRP)の「HuRP通信」2011年12月、2012年1月合併号に掲載された映画紹介を、以下、許可を得て掲載します。(法学館憲法研究所事務局)

 舞台は韓国、実在する「清州(チョンジュ)女子刑務所」。ここに収監された受刑者たちが、合唱団を結成し、それぞれが抱える問題、心の傷を、歌によって超えていこうとする様子を描き出す。ストーリーは、獄中で出産したジョンへと息子ミヌを中心にまわっていく。法律上、養育が許されるのは生後18カ月まで。周りの受刑者たちに見守られながら、息子に精一杯の愛情を注ぐジョンへだが、時が来たら養子に出すことを決めている。
 合唱は共同作業だ。それぞれ複雑な事情を抱えながら、罪を犯し、服役している女性たちにとって、互いを信頼し、ものごとを発展させていくことは難しい。しかし、合唱を通じて彼女たちはそれを獲得し、希望を見いだしていく。それが合唱の表現力の向上と見事に呼応していく。
 合唱団を率いる元音大教授の受刑者が、一人ひとりの生と罪と、音楽をまとめあげていく作業を追いながら、彼女たちがなぜ罪を犯したのか、それを乗り越えるとはどういうことなのか、観ている私たちは、必死に想像することになる。
 数年ののちに実力が認められた彼女たちは、クリスマスイブにソウルで開かれる合唱大会に招待される。当日、「犯罪者」が「外」で活動することへの社会の反応、会いに来た、あるいは拒絶した家族の様子、聴衆たち、そして何より白いドレスを着た彼女たちの、歌に託した叫びがひとところに響きわたる。
 筋を追うのはこのあたりにまでにしよう。この映画は、実話をもとにしていて、実際に清州女子刑務所が撮影に協力したとのこと。
 韓国では1997年を最後に執行は行われていない(アムネスティは「事実上の死刑廃止国」としている)が、廃止法案は何度も廃案となっている。李明博大統領も死刑維持を公言しているという。
 日本では、2011年こそ執行はなかった。が、国民の過半数が「死刑に肯定的な」意見を持つと言われ、しばしば制度存置の理由に掲げられる。しかし、裁判員制度があろうとなかろうと、国が死刑という刑罰を採用していることを黙認する以上、主権者である私たちが手をかけて殺そうとする命が存在しているということだ。
合唱大会で受刑者たちの歌う「ソルヴェイグの歌」は、身勝手に出て行った恋人の帰りをいつまでも故郷で待つ女の歌。だが、歌(生)を手に入れ、生きようとする受刑者たちに、こう言われているような気がする。

【映画情報】
製作年:2010年。
上映時間:115分。
監督:カン・テギュ。
出演:キム・ユンジン、ナ・ムニ、カン・イェウォン、ほか。
公式サイトはこちら

*軍事政権を倒して民主化を果たした韓国市民の運動は死刑廃止問題でも大きな前進をかちとりつつあります。
 NPO法人「人権・平和国際情報センター」が6月9日(土)に講演会「金大中氏の功績と『金大中図書館』」を開催します。そこで講演する韓勝憲弁護士は国際アムネスティ韓国委員会専務理事を務め、韓国の死刑廃止運動も牽引されました。ご案内します。



 
                              

 

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