大金を手に入れた男が小豆の相場への投資で儲け始めたところ、やがて惚れた女性からその財産を奪われてしまう、そんな話の映画です。
実は、男が手に入れた大金は政治にまつわる汚い金でした。したがって金を盗まれた政治家は横領の罪で男を告訴することができませんでした。どのような金かが明らかになれば、政治家も窮地に立たされるからです。そして、男は女性から財産を奪われても、もともと汚い金だったから女性を告訴することができませんでした。ということで、タイトルは「告訴せず」となっています。
政治家が選挙で当選するために有権者に金をばら撒く。よく聞く話ですが、その姿が映画の冒頭に描かれています。憲法の国民主権原理が歪められている現実の一端を知ることになります。男が大金を手に入れた後のスリリングな展開にも引きつけられます。
【映画情報】
製作年:1975年
上映時間:90分
監督:堀川弘通
原作:松本清張
出演:青島幸男、江波杏子、西村晃、ほか
<法学館憲法研究所事務局から>
11月4日(日)、「政治と憲法 − 選挙制度・政党のあり方」と題して森英樹氏(名古屋大名誉教授)が講演し、当研究所の浦部法穂顧問(=神戸大学名誉教授)と対談します。こちら。関連情報。森英樹氏は、上記のような憲法学についての深い研究に加え、幅広い教養と時事問題への深い洞察によって、またユーモア溢れる語り口で聴衆を引きつける話をします。こんにちの政治をめぐる問題状況を憲法の視点で深く考える場になりますので、多くの方々にご参加いただきたく、ご案内します。
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