法学館憲法研究所は、憲法を系統的に研究し、個人の尊厳の実現をめざす非政府組織としての自由な研究機関です

法学館憲法研究所

Mail info@jicl.jp
 
今週の一言
憲法情報Now
 憲法をめぐる動向
 イベント情報
 憲法関連裁判情報
 シネマ・DE・憲法
 憲法関連書籍・論文
 ■今日は何の日?
憲法Voice
研究所・客員研究員紹介
中高生のための憲法教室

憲法文献データベース
日本国憲法全文
リンク集
 
事務局よりお知らせ
賛助会員案内
メールマガジン
ご意見フォーム
サイトマップ

憲法情報Now<シネマ・DE・憲法>

 

映画「クラウド・アトラス」

H.T
                              


 1849年の奴隷貿易の時代から地球崩壊後の2346年までの世界規模の6つの物語を同時進行させ、このままでは地球での人類社会は滅亡してしまうのではないか、という危機感に満ちた野心作だと思います。3時間近くの大作で、大部分の観客は物語の交錯についていけず難解な映画だと感じるかもしれません。まさに、「クラウド・アトラス」。しかし、時間が経つにつれて、6つの物語が区別でき、次第に「危機」の対極にある人間の善性、愛情、共生を必死に求めている作品であることに気付くのではないでしょうか。

 時間で区別すると3つに分かれます。@崩壊する前に地球から脱出してある星から地球を眺め偲んでいるごく僅かと思われる人たち。崩壊後の地球の山脈の頂上付近で原始的な生活をしつつ彼らと交信しようとしている生き残りの人とそれを妨害する残忍な種族。人間の集団の暴力性はあいも変わりません。A22世紀の中ごろのネオ・ソウルで、人間たちと人間が遺伝子操作で作ったクローンとの壮絶な闘い。Bそして、奴隷貿易時代から現代までの物語。

 全体を流れるのは自分たちの様々な欲望、権力を追求するために他人を道具とみなし平然と殺す人たちや階層と、彼らに虐げられる人との相克です。後者は孤立した人間です。人間が持っている様々な悪性がこれでもかと登場します。それらは権力や秩序による利益と結びついています。6つの物語のそれぞれは、生命科学、原子力、文明の腐敗など今の社会が直面している大きな課題を映し出しています。

 何度も登場する言葉は「弱肉強食」。善性は個人レベルのものに止まっているがゆえに集団的な悪性に人類ごと滅ぼされます。対照的に発せられるのは、「子宮から墓場まで、総ての人間はつながっている」というセリフ。それはなんとクローンから。でも、それは顧みられることなく、人類は滅亡する―であるとすれば、救いの道は?

【映画情報】
製作:2012年 アメリカ
監督:ラナ・ウォシャウスキー/トム・ティクバ/アンディ・ウォシャウスキー
製作:グラント・ヒル他
時間:172分
出演:トム・ハンクス/ハル・ベリー/ジム・ブロードベント/ヒューゴ・ウィービング/ジム・スタージェス
上映館:全国でロードショー中
公式サイト



 
                              

 

[今週の一言][憲法情報Now][中高生のための憲法教室][憲法文献データベース][事務局からのお知らせ]
[トップページ]