法学館憲法研究所は、憲法を系統的に研究し、個人の尊厳の実現をめざす非政府組織としての自由な研究機関です

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映画「ファルージャ イラク戦争、日本人人質事件…そして」

H・O
                              


(c)2013 有限会社ホームルーム 一般社団法人全日本テレビ製作社連盟

 2004年、アメリカの対イラク戦争を支持した日本はイラク・ファルージャに自衛隊を送っていました。そこで3人の日本人が現地の武装勢力によって拘束されました。武装勢力は3人の命と引きかえに自衛隊の撤退を要求しました。日本政府は、武装勢力の要求を拒否しました。そして閣僚らは、3人がイラクで拘束されたのは「自己責任」だと言いました。また、多くの日本国民も3人を批難しました。結局武装勢力は3人を解放することになりましたが、その時の日本政府の判断、国民世論は正しく検証されるべき、という考えから出来上がったドキュメンタリー作品と言えるでしょう。
 かつて日本政府は「一人の生命は地球より重い」という立場で事件処理にあたったこともありました(ダッカ日航機ハイジャック事件、1977年)がこの時は違いました。日本国憲法が謳う「個人の尊重」理念をどう考えるか、深く考えたいテーマではないでしょうか。
 映像は、アメリカ軍の攻撃によって多くのイラク人が殺され、また先天異常の赤ちゃんが多く生まれる状況を生々しい映像で描いています。人質のうちの一人で、その後もイラクでの人道支援活動にあたる高遠菜穂子さんの姿も生き生きと紹介されています。イラク戦争への日本の参加・加担の検証の必要性もよくわかるものとなっています。
 なお、この作品について千葉県の八木直樹さんから感想をお寄せいただきましたので、ご本人の了解を得てご紹介します。

「人質になった人たちに対する政府関係者の批判的な発言とそれに続く世間から湧き起こった非難の嵐。その時当事者たちはどのような思いで過ごしていたのか、そして今はどうしているのか。
 当事者であったお2人のその後の生き方に感動を覚え、人としての生き方を考えさせられました。そして、この人質事件を引き起こした自衛隊の派兵に対し、私たち日本人はきちんと検証し責任ある後始末をしていないことを改めて突きつけられました。また、自衛隊も米軍も撤退したイラクでは紛争が続き、先天性の奇形を持って生まれる子供たちの出生率が異常に高いという現実に、日本が参戦したにもかかわらず忘れつつあるイラク戦争が、いまだに終わっていないことを痛感しました。
 イラク人質事件当時、私は自衛隊を派兵した政府ではなく、人質となった人たちへ批判の矛先が向いたことに衝撃を覚え、平和の問題に強く関心を持つきっかけとなりました。平和に対する日本人の感覚が変わっていった転機だったと、私は思います。「集団的自衛権の行使」が今国会の大きな焦点となってきた今、イラク戦争と人質事件について見つめ直すことがいま大切ではないでしょうか。」

 (*上記の八木直樹さんは以前当サイトで「『食』なくして平和なし」と語ってくださいました。)

【映画情報】
製作年:2013年
上映時間:95分
監督:伊藤めぐみ
 *現在、東京・渋谷アップリンクで上映中。近く名古屋で、また大阪、兵庫で上映予定。こちらでご確認ください。
 公式サイトはこちら

<法学館憲法研究所事務局から>
 この映画に登場する高遠菜穂子さんには以前当サイトで「イラク戦争って何だったんだろう?」と語っていただきました。
また、イラク戦争に関わっては次のような情報を発信してきていますので、ご案内します。
  「今こそイラク戦争の検証を―平和憲法を持つ国のケジメとして」志葉玲さん(ジャーナリスト)
  「平和的生存権と生存権が繋がる日 イラク派兵違憲判決から」毛利正道さん(弁護士)

 
                              

 

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