法学館憲法研究所は、憲法を系統的に研究し、個人の尊厳の実現をめざす非政府組織としての自由な研究機関です

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映画「笹の墓標」(その1)

H・O
                              


 戦時中多くの朝鮮人が強制的に日本に連行されたことは、単なる過去の問題ではありません。この問題は、実はこんにちに生きる者にも問いかけられています。どういうことでしょうか。
 この映画は強制連行され、そして日本の地で亡くなった朝鮮の人々の遺骨を掘り起こし、それを朝鮮の遺族に返還するとりくみについてのドキュメンタリーです。
 戦時中、北海道の朱鞠内(しゅまりない)での大型ダム建設現場にも多くの朝鮮人が連行され、過酷な労働に従事することになりました。そこで多くの朝鮮人が亡くなりました。その朝鮮人の遺骨がひっそりと保管されていること、いまだに多くの遺骨がそこの地中に眠っていることを知った僧侶・殿平善彦さんが遺骨発掘をはじめ、それはやがて韓国人、在日朝鮮人、日本人の若者たちの共同のワークショップになりました。犠牲になった方々に関わる資料を集め、そこから遺族を探し出し、殿平さんや青年たちが遺骨を届けます。本来朝鮮人を連行してきた企業が行うべきことであり、そこには朝鮮を併合していた日本政府の責任もあると言えるのでしょうが、実はいまなお犠牲者の遺骨が遺族の元に返されず、それどころか多くの遺骨が土の中に眠っているのです。このまま放置されたままでよいのか、こんにちに生きる者にも問いかけられます。
 映画は5章で構成されている大作です。第1・2章では、遺骨発掘のワークショップに参加した韓国人、在日朝鮮人、日本人の若者たちが英語などを交えての会話で友情を広げながら、お互いがお互いの民族を否定的に見てしまいがちなことについて率直な、時には激しい議論をする様子などが描かれています。こうした交流の大切さを強く感じさせてくれます。
 第3章では、発掘した遺骨を朝鮮に住む遺族の方々に届け喜ばれるシーンなどが描かれています。こうしたとりくみが日韓の人々の真の友好関係を築き上げてきていることがよくわかります。
 日本国憲法の平和主義の規定が生まれる背景にある、日本のかつての戦争責任を問い返えさせてくれる作品です。

<続く>

【映画情報】
製作年:2013年
監督:影山あさ子・藤本幸久
上映時間:全5章/9時間9分
*公式サイトはこちら
*映画「笹の墓標」は3月7日(金)〜9日(日)に横浜・スペースオルタで上映されます。

<法学館憲法研究所事務局から>
■当サイトの「今週の一言」のページでこの映画の監督・影山あさ子さんが映画への思いを語ってくださいました。こちら
■上記の通り、映画「笹の墓標」では強制連行されて日本で亡くなった方々の遺骨発掘を行う若者たちのワークショップの様子が描かれていますが、その中心に金英丸(キム・ヨンファン)さんがいました。法学館憲法研究所が製作に協力したDVD「STOP戦争への道」の完成披露を兼ねた講演会で金さんは「歴史に向き合い平和を考える −日本国憲法と東アジアの平和」と題して講演してくださいました。その講演録を「法学館憲法研究所報」9号に収載しています。


 
                              

 

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