法学館憲法研究所は、憲法を系統的に研究し、個人の尊厳の実現をめざす非政府組織としての自由な研究機関です

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映画『図書館戦争』

H・O
                                                           


 風紀を乱す報道や出版を規制しようと、メディア良化法が制定された。同法によって組織されたメディア良化委員会は風紀を乱す本を没収し、焼き払った。人々が読書をする自由や表現の自由を守ろうと、図書館が図書館隊を結成した。風紀を乱す本の取り締まりのためにメディア良化委員会は武力も行使する。それに対して図書館隊も自衛をはかる。実際に武力衝突が起こり…。
 このように話が展開していくドラマです。
 犯罪を犯した少年は暴力が表現されていた本を読んでいた、という理由だけで、その本が没収され焼かれる、個性的に生きることが描かれた子供向けの本も没収される、というようにメディア良化法による取り締まりの範囲がどんどん拡大していくことへの異議申し立てがこの作品の主要なテーマだと言えるでしょう。

   第1 図書館は資料収集の自由を有する
   第2 図書館は資料提供の自由を有する
   第3 図書館は利用者の秘密を守る
   第4 図書館はすべての検閲に反対する
   図書館の自由が侵されるとき、われわれは団結して、あくまで自由を守る。

 以上は日本図書館協会が採択している「図書館の自由に関する宣言」です。この映画にはたびたびこの宣言が映し出されます。「表現の自由」や「国民の知る権利」、「検閲の禁止」「プライバシーの保護」など憲法が謳っていることが図書館の場で見事に具体化されています。この宣言の意味と趣旨を学べる映画です。

 この映画を観て、戦争ということについても考えさせられました。
 図書館隊は図書館の自衛組織ですが、自衛ですから、あくまで図書館内においてしか行動しない建前をとります。また、射撃をする場合にもそれは威嚇に限られることになっています。専守防衛を旨とする日本の自衛隊によく似ています。ところが、この映画での戦争シーンでは、図書館隊は実際には自衛以上の行動に突入していくことになります。それをどう考えるかは意見の分かれるところになるでしょう。自衛に徹するなどということは非現実的であり、ある程度の武力行使は認められるべき、という意見を持つ人もいるでしょう。反対に、そもそも自衛であっても戦争をしてはならない、という意見を持つ人もいるでしょう。いま、憲法解釈を変えて集団的自衛権を容認するかどうかが大きな問題になっていますが、この映画を観た人たちには、日本国憲法の平和主義の規定とその趣旨について冷静に考えていただきたい、ということも思いました。

【映画情報】
製作年:2013年
上映時間:128分
監督:佐藤信介
出演:岡田准一、榮倉奈々、田中圭。福士蒼汰、西田尚美、ほか
*公式サイトはこちら


 
                                                           


<「シネマDE憲法」関連情報>

「憲法を知ることは、リアルと普遍の間を何度でも行き来すること——『映画で学ぶ憲法』」志田陽子さん(武蔵野美術大学造形学部教授)



 

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