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映画『山本慈昭 望郷の鐘 ― 満蒙開拓団の落日』

S・K
                                                           


 この映画は、戦争を二度と繰り返させない!という監督の強い思いから製作された映画である。敗戦直前の1945年5月に、国策のより満蒙に渡った阿智開拓団を中心に、満蒙開拓団として満州に渡った24万人にものぼる人々の悲惨な真実と、そこから今なお残る中国残留孤児の問題を伝えています。
 原作はノンフィクションですが、子供からお年寄りまで、より多くの人々に観てもらいたいという監督の意向により、残虐なシーンは一切無く、笑いの要素すら含んだ作品となっています。
 満蒙は、「空襲も無く食べ物にも困らない理想郷」のように信じ込まされ海を渡ったものの、実際は全くの嘘でした。これにより、多くの一般市民が犠牲となりましたが、満蒙開拓団についての日本政府の謝罪や補償はなされていません。教科書に取り上げられることも無く、69年が経過しています。
 住職であり、学校の教員だった主人公の山本慈昭は、やむなく満蒙開拓団の一員として満蒙に渡った一人ですが、帰国途中でソ連軍の捕虜となり、妻や幼い娘を亡くした人物です。帰国後も中国残留孤児の捜索を続けた主人公の姿を通じて、問題の本質を浮き彫りにしています。
 もっとも、映画の冒頭で示される「国家の政策に純粋に協力しただけと言っても、この事実は一人一人が責任を問われる事になる。国家に尽くした日本国民は加害者であって被害者であったのです」という言葉に集約されるように、この映画は、日本政府を非難するというものではなく、権力は時に嘘をつくということ、そして、私たち国民は正しい情報を見極める力をつけなければならないということを伝えています。
 忘れてはいけない歴史、次世代に伝えていかなければいけない真実、大きすぎる犠牲から生まれた大切な教訓を語っています。家族で観て、感想を話し合って欲しい映画です。

【映画情報】
製作年 2014年
製作 株式会社現代ぷろだくしょん
出演者 内藤剛志 渡辺梓 他
監督 山田火砂子 
原作・脚本 和田登
公式サイト


 
                                                           


<「シネマDE憲法」関連情報>

「憲法を知ることは、リアルと普遍の間を何度でも行き来すること——『映画で学ぶ憲法』」志田陽子さん(武蔵野美術大学造形学部教授)



 

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