イ・ジュンソプは韓国の国民的画家。彼は日本が朝鮮を統治していた時期に東京で絵を学んだ。その時期に日本人・山本芳子と結婚した。日本の朝鮮統治が終わり、二人とその子どもは朝鮮の地で暮らすことになるが、まもなく朝鮮戦争が始まり、生活苦の中で妻子は東京の実家に戻ることになる。そして、彼は39歳の若さで、栄養失調などで世を去ることになる……。
このような経過と、その中での夫妻の愛を描くドキュメンタリーです。離ればなれになっていた時期の手紙が次々と映し出され、その愛の深さを感じさせてくれます。
山本芳子さんとイ・ジュンソプさんの生活と人生は朝鮮半島と日本の現代史に大きく揺さぶられることになりました。山本さんは、この映画の中ではそのことについての気持ちや考えは語っていません。それが、意識的なのか、そうではないのかはともかくも、やはり日本のかつての朝鮮への侵略、戦後の朝鮮半島の分断と日韓関係などの歴史を問い返しながら観たいと思います。いままた日本が「戦争をする国」になろうとしていることに対して朝鮮の人々の警戒感が高まっています。そういう時期だけに強く思います。
【映画情報】
製作年:2014年
上映時間:80分
監督:酒井充子
公式サイト
*東京・ポレポレ東中野で上映中。
上映予定は下記ページで確認してください。
http://www.u-picc.com/Joongseopswife/theater.html
|