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『天皇の名のもとに 南京大虐殺の真実』(原題IN THE NAME OF THE EMPEROR)


花崎哲さん(「憲法を考える映画の会」)
                                                           

 2015年、「南京大虐殺の記録」がユネスコの世界記憶遺産に登録されました。
 その遺産の中に米国の牧師ジョン・マギーが撮影したフィルムが含まれています。そのフィルム映像がどの様なものであるか、この『天皇の名のもとに 南京大虐殺の真実』という映画の中で見ることができます。

 この映画は1995年、アジア系アメリカ人クリスティン・チョイさんとナンシー・トンさんによって制作されました。映画に解説のためのナレーションはありません。すべて、当時を知る人の証言、あるいは当時書かれた日記や記録文書の朗読などによって語られます。またこのジョン・マギーが撮影したフィルムはじめ、各国のニュースフィルム、東京裁判の記録映像など多面的な映像を集め構成することによって「真実はどこにあるのか?」を明らかにしようとするねらいが感じられます。

 戦後一貫して日本の政府は南京大虐殺の事実を正式には認めようとしない,と映画の中でも語られていますが、従軍慰安婦、靖国神社公式参拝の問題などアジアの国々から批判を浴びていることが「日本の軍隊の特殊性」にあるということを映画では訴えています。
 つまりなぜ日本の軍隊はあのような残虐な方法での虐殺を行ったのか、それを「日本の軍隊は国民の軍隊ではなく天皇の軍隊であった」と元日本軍兵士の証言の中で説明されています。「盲従する軍隊」「意志のない軍隊」であったとされています。そこに「家庭では良き父であり、兄であり、夫であった人間が一ヶ月もたたない間に人を殺して何も感じなくなっていた」という異常さを元兵士は深い悔恨をこめて語っています。
 日本国民の最大の使命は疑いなく天皇のために尽くすことを教育され、その結果、日本兵士も「お国のため」ということに死ぬことが誉め称えられたのです。
 それは兵士に限らず戦前、戦中の多くの日本人がそうであったという異常さであり、それを言葉にするすことさえためらわれる息苦しい「盲従する国民」であったのだといえると思います。
 そして未だに南京大虐殺や慰安婦問題についてそれを認めようとしない政府、またそうした戦前会期であるような教育や報道、反論を許さないが社会の風潮が海外から見て、同じことをまたしかねない国として気味悪いものを感じさせているのだと思います。
 この国の政治の中心にいる人たちはまたそのような国に戻すことをめざしているのでしょうか?南京に起きた悲惨な戦争の遺産から日本という国民を考える映画と思います。

【映画情報】
・ドキュメンタリービデオ 50分 1995年作品(1997年日本語版制作)
・監督:クリスティン・チョイ/ナンシー・トン
・この作品には、南京戦に参加した元日本軍兵士(東史郎・上羽武一郎・永富博道)をはじめ、ソン・シンドー、家永三郎、藤原彰、吉田裕、本多勝一、吉見義明、西野瑠美子、大沼保昭、渡部昇一などの各氏も登場している。
・販売価格:個人価格6000円 図書館価格18000円
・*上映貸出など、お問い合わせは、ビデオプレスTEL03-3530-8588まで
 こちら 


 
                                                           


<「シネマDE憲法」関連情報>

「憲法を知ることは、リアルと普遍の間を何度でも行き来すること——『映画で学ぶ憲法』」志田陽子さん(武蔵野美術大学造形学部教授)



 

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