法学館憲法研究所は、憲法を系統的に研究し、個人の尊厳の実現をめざす非政府組織としての自由な研究機関です

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「憲法映画祭2016」のご案内


花崎哲さん(憲法を考える映画の会)
                                                           

 「憲法を考える映画の会」は2013年4月この会を始めて以来、今回で25回目になります。そこで憲法記念の日を前にした5月1日に「憲法映画祭2016」として、これまで上映してきた映画の中からとくに反響の大きかった作品、そして「日本国憲法からいまを考える」ことのできる映画を3本選んで上映します。
 今回はそのご案内をさせていただきます。

と き:2016年5月1日(日)11時?19時
ところ:東京体育館第1会議室 渋谷区千駄ヶ谷1-17-1
プログラム:11時30分 「映画 日本国憲法」
   13時30分 お話「世界の中の日本国憲法」ジャーナリスト伊藤千尋さん
   14時45分 「ありふれたファシズム」
   17時20分 「ショック・ドクトリン」
   1日券 一般 1800円 学生 1500円
   1回券 一般 800円 学生 500円

憲法を考える映画の会ホームページ
    

 政権与党は、この夏に予定されている参議院選挙で3分の2の議席を獲得すれば憲法「改正」発議に踏み切ると公言しています。そうした平和憲法の危機の中で、今回選んだ3つの作品について、「いまこそ憲法について考えていく映画」として選んだ理由を紹介させていただきます。

映画『日本国憲法』
 この映画は、アメリカ人のジャン・ユンカーマンさんが、欧米からアジアまで、世界各国の知識人に「日本国憲法」についてインタビューする構成をとっています。「日本国憲法」は日本人だけのものでない、その成立の段階から、もう二度と戦争でいのちを失うことがなくなるようにと、あの時代の崇高な想いが込められているものであったことをあらためて感じます。この映画を日本の人にも、また世界の人にも、もっと見ていただいて、多くの戦争に反対している人たちと力を合わせて、戦争をなくす力にしていきたいという気持ちになります。
 私たちは、この映画を上映したいと思って「憲法を考える映画の会」という会を始めました。憲法を考える映画の会の原点ともいえる作品です。

 憲法は多くの犠牲を払って私たちが人類の歴史の上に築きあげてきた日本の文化です。そのような人類にとっても国際政治にとっても価値あるものを、どうして国の『政治』の中だけに押し込めて都合良く変えようとするのでしょうか。この映画を見ると、私たち日本国民は日本国憲法を守り続けてきたことを、もっと誇りをもって世界に訴え、拡げていかなくてはという気持ちになります。

2005年 日本映画 78分 監督:ジャン・ユンカーマン
公式ホームページ

映画『ありふれたファシズム 野獣たちのバラード』
 日本でも、ドイツでも、戦後、ファシズムの政治がやったことに対して「私たちはなにも知らされていなかった」「私たちはだまされていたのだ」と言う人がいました。しかし無関心であったことこそが歯止めのきかないファシズムへの道を歩ませたと、この映画は訴えます。「考えることをやめたときにファシズムが始まる」という言葉がこの映画の中にもあります。
 「おかしいな」「おかしいな」と思っても、それをただすことなく、なし崩し的にことが進んでしまう、まさに今この国はそういうことになっていませんか?「私たちの内なるファシズム」それを今、問題にしたいと思い、この映画を選びました。

 「これはファシズムについて、あるいはナチズムの政策について物語る歴史的な記録映画などではない。この映画の重要な目的は、ファシズムをあの時代の典型的な現象として理解し、その根拠を明らかにし、当時の普通のドイツ人の精神を証明し、なぜ彼らがヒトラーに従っていったか、いかにしてナチズムが彼らの弱点を見い出し、それをうまく利用したかを説明することにあった。
 この映画は人々の心に驚きと希望をもたらし、未来に対する人類の責任を語り変えてくるに違いない。我々はこの映画を見る人と共に、ファシズムについて、ファシズムを生み出す土壌について、人間を野獣に変えることによって人間を破壊していくやり口について考察し、人間が人間であるために何がなされねばならぬかを深く考えたいと思う。」(監督 ミハイル・ロム二のことば)

1966年 ソ連映画 129分 監督:ミハイル・ロム二
憲法を考える映画の会での紹介 

映画『ショック・ドクトリン 惨事便乗型資本主義の正体を暴く』

 「どうして安倍さんは、むりやり憲法を『改正』して戦争のできる国にしたいのだろう?」
 この映画の会を始めたときから抱いていた疑問でした。そしてこの映画を見て、衝撃を受けました。またその解答を得たような思いをしました。まさに利益を求める人たちによって「戦争はつくり出されるものだ」ということです。経済の面から政治や国際情勢を見ていった作品ですが、これはまさに今、起きている緊急事態条項、TPP、原発再稼働、集団的自衛権行使、格差や貧困の問題、権力による人権の蹂躙、表現の自由・知る権利への抑圧、メディアへの干渉と操作などの問題に関わってくるものです。そして憲法を変えて海外派兵に突き進もうとしているこの国の政策の裏にあるものに、目を見開かせてくれるものです。今こそもっと活発に上映されて良い作品と思います。

 「戦争や災害などの大惨事につけ込んで実施される過激な市場原理主義改革=ショックドクトリン。その源には、政府による市場介入を否定し、福祉国家の解体を唱えた「新自由主義」がある。その実態は、歯止めのきかない貪欲な資本主義である。1970年代に台頭した暴力的「市場原理主義」の路線は、癌のように浸潤し増殖していった。
 ナオミ・クラインは『ショック・ドクトリン』で、その歴史、チリのクーデターに始まってソ連の崩壊、イラク戦争等の歴史的なショック(惨事)の実体を暴いた。
 1%が99%を支配する世界がどうしてつくられたのか。
 映画は、そのまま3.11後の日本の現実と重なる。

1966年イギリス映画 82分 監督:マイケル・ウィンターボトム マット・ホワイトクロス
公式ホームページ

憲法を考える映画と上映会をシェアする
 この「憲法映画祭2016」を一つの転機として考えていることがあります。
 私たちは、これまで24回の憲法を考える映画の会を通して、どのような映画を見てどんな話をするか、探したり、試写したり、どのような映画会にするか話し合いながら続けてきました。
 いまみんなが話したいことは何か、それにふさわしい映画はどのようなものかも考えました。
?おかげさまで映画の会に来ていただく方が増え、少しずつ安定した映画会にすることができました。?
 映画会を続けたことによって学んだこともたくさんあります。
 たとえば憲法は、第9条の非戦平和だけでなく、戦争、国際情勢、核の問題、人権、報道の自由、知る権利、民主主義、差別と闘うこと、教育の問題に深く関わっていることがわかりました。?
 そしてそれらをより深めて考えるのにそれぞれ適した映画があることがわかりました。?
 映画を作って、その考えを伝えていく情熱をもった人たちがたくさんいることも知りました。
 そこで、こうした映画を使った上映と話し合いの場作りをもっともっと広げていく努力をこれからしていきたいと考えています。
 たとえば地方や、人数の小さな会を開くときにも、もっと映画を活用して、映画をいっしょに観て、その感想を出し合い、それぞれが考えていることを話し合っていく場を作る機会にできたらと思っています。
 「ここに自分たちで上映会ができる映画があるよ」、「私たちの映画がある」、「これらの映画を使って人に呼びかけ集まってもらえる映画があるよ」、「映画と上映会をシェア(共有・共催)できるよ」。
 そうした呼びかけができるような冊子(リスト)を、5月1日の憲法映画祭までに作って、そうした場を拡げる活動に取り組みたいと考えています。
 いっしょにそうした場を作って、拡げて、私たちの憲法のめざしているものを実現しましょう。


 
                                                           


<「シネマDE憲法」関連情報>

「憲法を知ることは、リアルと普遍の間を何度でも行き来すること——『映画で学ぶ憲法』」志田陽子さん(武蔵野美術大学造形学部教授)



 

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