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映画『わたしの自由について SEALDs2015』(英語名 Tell me what democracy looks like)


花崎 哲さん(憲法を考える映画の会)
                                                           


 集団的自衛権の行使容認を含む安保関連法案が国会を通った日、国会前に夜中まで多くの人が集まって反対を叫んだ日からほぼ1年目のある日、この映画を小さな弁護士事務所の映画会で見ました。

【映画の解説】公式ホームページより
2015年。第二次世界大戦以後、70年間、平和国家として歩んできた日本の安全保障が、大きく変わろうとしていた。
安倍晋三首相率いる自民党は、これまでの憲法解釈を180度転換し、集団的自衛権の行使容認を含む新たな安全保障関連法案を国会に提出した。?日本国憲法第9条で定められた、戦争放棄に反するこの政府の動きに、世界一政治に無関心といわれた日本国民、特に若い世代が大きな危機感を持った。?東京を中心に立ち上がった、学生団体「SEALDs」(シールズ : Students Emergency Action for Liberal Democracy-s / 自由と民主主義のための学生緊急行動)は、2015年6月から毎週金曜日に国会議事堂前で安保関連法案に対する抗議活動を開始した。?その動きはメディアやSNSを通して幅広い共感を呼び、世代や信条を越え、「デモ」は瞬く間に日本全土に広がった。
この映画は、数名の若者たちが手探りではじめた社会運動の、半年間の記録である。
      (「わたしの自由について SEALDs2015」公式ホームページより)
 
 この映画は、SEALDsのスピーチとインタビューを聞く映画だなあと思いました。
 もちろん2015年こんなことがあったという記録の映像でもあるのですが、SEALDsのひとりひとりの動き方はこの5ヶ月の間どんなだったのか、彼らは何をもって動こうとしたのか、人々は何を感じて彼らに耳を傾けたのか、そうした私たちが「SEALDsについて知りたい!」と思うことに、映画は彼らの話をひとつひとつ聞くことで答えてくれます。
 だからこの題名、なのかもしれません。

 スピーチの場面で、SEALDsの人たちの多くが、スマートフォンを見ながらの演説であることに気がつきました。カンニングしながらのスピーチがおかしいと笑いたいのではなく、むしろ一度「文章」として書き止めたスピーチだからこそ、よく練られた、自分のことばでのアピールが、きちんと整理された耳を傾けやすいことばになっているのだと感心したのです。それは彼らのことばの確かさ、強さになっていると思います。
 彼らが紙ではなく、スマートフォンを使うのは、ぎりぎりまで考え、推敲してスピーチに臨むからだとも聞きました。孤独に考える方法を大切にしている人たちであるということが、こうしたことからも感じられます。自分のことばを使った人に伝わるスピーチとは何か、いわゆるシュプレヒコール(唱和)とは違ったある種の静謐さがここにあるような気がします。
 若い子がしっかりと自分のことばで自分の考えたことを訴える、そこに、国会前の集まった人たちも、しっかりとそれを聞き取ろうとするある種の連帯感、静かではあっても力のあるものが感じられます。

 この映画をディレクターがほとんどひとりで撮影し、構成し、編集したと聞いて、「やっぱりそうか」とも、あらためて「たいしたもんだ」とも思いました。
 つまり半年間のSEALDsに密着し、適確な時に、適切な場に居合わせていて、もっともその時、聞きたいことを聞いているという感じがします。
 SEALDsの彼らとの間の距離感もいい。同世代だから、ということなのでしょう。
 記録を残そうということではなく、またSEALDsの彼らのために映画を撮ろうというのでもなく、撮り手、作り手自身も「知りたい」「わかりたい」「考えたい」としていることが画面から感じられます。作り手自身もこの映画を作ることを通して「わたしの自由について」考えたいということなのでしょう

 SEALDsの運動が若者に限らず、多くの人々の気持ちをとらえたのは、「人はどう生きていくのか」という哲学的な問いかけを根本にもっているからかもしれません。
 「人を殺したくも、殺されたくもない」というのも自分の生き方の問題ですし、理不尽に自分たちを圧迫して自由を奪っていくものに対して「そんなの嫌だ」とはっきりと自分の感情を声にしているというところもあります。
 それが彼らも、私たちも求めている民主主義というものなのでしょう。ひとりひとりが懸命に考えたこと、自分で考えたことを意識して出し合っていく、そうした場を作って行きたい。この映画を見て、2015年の夏を思い返してそう思いました。

 私たちは2016年11月3日(祝)日本国憲法公布70年目の日にこの映画を上映することにしました。この映画を「いまとこれからを考える憲法の映画」と感じたからです。

 第30回 憲法を考える映画の会 映画『わたしの自由について SEALDs2015』
 と き:11月3日(木・祝)13時半?18時 
 ところ:東京体育館第2会議室

【制作スタッフ】

 監督・撮影・編集・製作:西原孝至
 撮影応援・カラリスト:山本大輔
 サウンドデザイン:柳智隆
 配給・宣伝:sky--key factory
 宣伝協力:contrail
 配給協力:アップリンク
 2016 / 日本 / カラー / 165分 / 16:9 / DCP

 ■公式ホームページ:http://www.about-my-liberty.com/
 ■予告編:https://www.youtube.com/watch?v=ktlkibO4Pes
 ■上映貸し出し:有料上映30000円(アップリンク)
 http://www.uplink.co.jp/news/2016/45033



 
                                                           


<「シネマDE憲法」関連情報>

「憲法を知ることは、リアルと普遍の間を何度でも行き来すること——『映画で学ぶ憲法』」志田陽子さん(武蔵野美術大学造形学部教授)



 

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