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映画『ある戦争』(原題:KRIGEN英題:A WAR )


C:WORKS
                                                           

 過去の戦争をテーマにした映画ではない。長年紛争の続くアフガニスタンへ、平和維持軍として派兵を続けているデンマークの治安部隊の隊長クラウスの物語だ。この映画が衝撃的なのは、日本も起こり得るかもしれないという怖さだ。平和維持という名目で、自衛隊の海外派遣が安保法制で認められ、現地に派遣されると、戦争に巻き込まれ、加担する場合もある・・・。そんなことが頭の中をよぎる。
 現地の駐留兵士たちは、タリバンの襲撃から民間人を守るため、無作為に地雷が埋め込まれている地域で命懸けの巡回を続けるなど、精神的に追いつめられる日々を過ごしていたが、ある日巡回中に一人の兵士が地雷で両足を吹き飛ばされ、殉死する事件が起きた。それをきっかけに不満を爆発させ、パニックを起こす兵士らに対し、クラウスは、「明日からは俺も巡回に同行する」と宣言し、隊長として自ら動くことで、国から与えられた使命の重要さを示し、部下たちの士気を高めようとしていた。
 そんな折、クラウスにPID〈敵兵の存在確認〉がないまま空爆を命じ、現地の第6地区に住む11人の民間人を殺害したという容疑がかけられ、デンマークに強制帰国を命ぜられ、軍事法廷に起訴される。

 後半の裁判シーンは検事と弁護士の追求が圧巻で、圧倒的に国側(軍の検事)に有利な展開となっていた。だが、双方の意見に真理があり、観る側は「有罪」か「無罪」か、裁判の傍聴席にいるような緊迫感を覚える。判決が下された結果感じるのは、<戦争と犯罪の境界>、<正義と命の尊さ>だ。
登場人物は善意の人ばかり、しかし平和のためと言いながら、戦争はこんな残酷な悲劇を引き起こすのだということが心に重くのしかかる。

第88回アカデミー賞R外国語映画賞ノミネート作品

【映画情報】
製作国:デンマーク
言語:デンマーク語、アラビア語
製作年:2015年
上映時間:115分
監督&脚本:トビアス・リンホルム
出演:ピルー・アスベック/ツヴァ・ノヴォトニー/ソーレン・マリン他
*公式サイト:www.transformer.co.jp/m/arusensou/
*新宿シネマカリテにて公開中 
【関西地区】シネ・リーブル梅田、【中部地区】名演小劇場にて公開中
*配給:トランスフォーマー
c 2015 NORDISK FILM PRODUCTION A/S



 
                                                           


<「シネマDE憲法」関連情報>

「憲法を知ることは、リアルと普遍の間を何度でも行き来すること——『映画で学ぶ憲法』」志田陽子さん(武蔵野美術大学造形学部教授)



 

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