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「第11回国際有機農業映画祭」のご案内


花崎 哲さん(憲法を考える映画の会)
                                                           


 毎年初冬に行われている「国際有機農業映画祭」のご紹介です。この映画祭で上映される映画が提起している問題と憲法との接点と言えば、やはり第25条「生存権」に関わるところでしょうか。そしてそれは平和、人権と同様、世界の人たちと共有すべき問題でもあります。
 「国際有機農業映画祭」は、会場内の「有機なブース」で有機農作物の販売も行われていて、(今年は会場の都合でお弁当の販売は行われないようですが)なごやかな中に、「健康で文化的な生活」を一緒に考え、実践していくぞ、という気概の感じられるユニークな映画祭になっています。

第11回国際有機農業映画祭
と き;2017年12月3日 10時?19:45(開場10:00)
ところ:全電通労働会館ホール
(JR中央・総武線「御茶ノ水駅」7分・地下鉄千代田線「新御茶ノ水駅」5分)
参加費:一般:前売 2,000円・当日 2,500円
25歳以下:前売 500円・当日 1,000円(要証明書提示)

【プログラム】
10:00 開場
10:30 「未来の収穫」
12:15 休憩(60分)
13:15 3分ビデオ
13:35 「生きる伝える"水俣の子"の60年」
14:25 休憩(15分)
14:40 「われわれの土地は今」
15:20 休憩(15分)
15:35 「野良語り 種って、おもしろい!」
16:40 休憩(15分)
16:55 「たね」
18:30 「ユーターン」
19:30 「街を食べる」
19:40 閉会挨拶
19:45 閉会

【作品紹介】

10:30 「未来の収穫」

農薬を使わずに世界人口を養えるのか?『モンサントの不自然な食べ物』の監督マリー=モニク・ロバン氏は、この問いの答えを得ようと南米やアフリカなど世界各国のアグロエコロジーの事例*を取材。
メキシコでは、インゲン豆、トウモロコシ、かぼちゃを混作する伝統的農法ミルパが昔から引き継がれ、地域コミュニティの食料主権を保障してきた。ケニアでは、研究者により開発されたプッシュ・プル農法が、害虫からトウモロコシを守るとともに副産物を生み出し、小規模農家に収入増加をもたらした。日本生まれの「提携」制度も霜里農場(埼玉県小川町)を例に紹介されている。
多くの専門家へのインタビューを交えながら、「緑の革命」以降推進されてきた農業食料システムの問題点を指摘し、アグロエコロジーの可能性・優位性を示す。
* 1080年代から広く認識され始めているアグロエコロジーは、農薬を使わない持続可能な農法に留まらず、生産者と消費者の連携、小規模農業の収入増加、地域の循環等、経済的社会的要素も多く取り入れた科学であり運動でもある。
(2012年/フランス/95分・原題:Les Moissons Du Futur/監督:マリー=モニク・ロバン)

13:15 3分ビデオ

13:35 「生きる伝える"水俣の子"の60年」

2016年4月、熊本県に大地震が襲う。その直後、水俣湾の公園を歩く男性がいた。ここは水銀ヘドロを埋めて造ったから心配で…と、亀裂がないか、ヘドロの流出はないかと見て歩く不安気な後ろ姿。
水俣病の公式確認から60年、あの時幼かった3人を追う。おしゃべりで活発だった幼子はもう一言も話せず、ヘッドギアが離せない。介護をしているお姉さんも病に倒れて車いす生活になっているが、「妹より先には死ねない」という。胎児性水俣病で今は施設で暮らす男性の楽しみは、書を書くことと一杯の焼酎。太い筆をしっかり握りしめて大きな紙に揮毫したのは、この映画のタイトル「生きる 伝える」だ。比較的軽い病状の女性は訴訟を続ける。敗訴通知を手に「意思を伝えられる私は、他の方のために発言し続けたい」と痛い体を引きずる。
1997年に水俣湾の安全宣言があり、漁が再開された。だが水俣病はいまだに終わっていない。地元、熊本県民テレビの報道姿勢が生み出した珠玉の一篇。
(2016年/日本/46分・監督:東美希/制作:熊本県民テレビ)


14:40 「われわれの土地は今」

「土地は誰のものか」 ̄古くて新しい問題はいつの時代も人々の心をかきたててきた。「この土地は俺のものだ」と王様、征服者、植民者らが力づくで土地を支配してきた。農民は土に根を生やして抵抗し、血を流してきた。いま、支配者は大資本だ。
土地収奪の最先端にあるアフリカを舞台とする"耕す民"の抵抗と創造の物語に、三人の英雄が登場する。
カメルーンでは、ナサコ・ベシンギがアメリカ投資ファンドによるパーム農園プロジェクトの推進に歯止めをかける。エマニュエル・エロングは、世界各国の生産者同盟の代表として、フランス資本の巨大物流会社ボロレ・グループと直接交渉している。セネガルでも、プル族の家畜飼育者が世界のメディアに働きかけ、イタリア投資家との戦いを続けている。
彼らはその地に生きてきた人びとの歴史を踏まえ、その地の生態系・風土に沿った小さな農業のモデルと実践を武器に、莫大な資本と先端技術で武装した大規模企業農業と対峙する。
世界各地の映画祭で数々の映画賞に輝いたドキュメンタリー。
(2015年/フランス/30分・原題:Et maintenant nos terres/
監督:バンジャマン・ポール、 ジュリアン・ルネット)

15:35-16;40 野良語り 種って、おもしろい!

百姓・自給農園ミルパ 石井恒司
有機農家・帰農志塾 戸松礼菜
秀明自然農法ネットワーク 佃文夫


16:55 「たね」

たねは人類のはじまりから、わたしたちの命とともにあった。小さな一粒のたねは、食料だけでなく、衣服や工業製品など生活に必要なものの原料となる。そのため、宝として扱われていた。在来種のたねは、そのたねが育つ土地の文化の象徴であり、各地で大切に受け継がれるものでもあった。
しかし、その大切なたねに危機が迫っている。20世紀だけで野菜の94%の在来種が失われたという。"農業の近代化"という大義名分のもと、利益を重視した農業の工業化が進められ、在来種を育てる小規模農家がなくなりつつある。
大規模農場が増え、一代雑種(F1)や遺伝子組み換えのたねが育てられるようになった。たねが失われることによって、わたしたちの生活に影響はないのか。現代社会の問題を追及し、種と人との関係を見つめ直す。
『太陽の女王』『農民ジョン』の制作チームによる最新作。
(2016年/米国/94分・原題:SEED: The Untold Story)


18:30 「ユーターン」

EU加盟を控えたルーマニアは2006年、それまで数十万ヘクタールで栽培されてきた遺伝子組み換え(GM)大豆を禁止し、非GM大豆へと一挙に「ユーターン」した。消費者の遺伝子組み換え食品への懸念を背景に、EU委員会はGM作物の輸入を厳しく制限しているが、年間3千万トンの大豆を輸入。その多くがGM品種であり、畜産飼料として使われている。
こうした状況に、EU域内自給を目的とした非GM大豆栽培運動・ドナウ大豆が始まり、ドナウ川流域の10数か国で独自の栽培基準と講習会を通して農家を組織する。このドナウ大豆のルーマニア代表であるディマ氏は、元モンサント・ルーマニアの幹部だ。
ルーマニアの大規模で思い切った「ユーターン」と、モンサントから「ユーターン」したディマ氏を軸に、欧州の非遺伝子組み換え大豆栽培の状況と欧州におけるNon−GMO食品認証の動きなどを追った作品。
(2015年/ルーマニア/40分・制作:エージェント・グリーン)」


19:30 「街を食べる」

イギリス北部の街トッドモーデン。この街では画期的な取り組みを行っている。野菜やハーブ、果物を好きな所に植え、誰でもそれを持って行ってよいのだ。誰もが参加できるこのささやかな取り組みが、街と人々を大きく変えていく。
(2012年/英国/12分・原題:Incredible Edible Todmorden/
監督:スティーブ・ハイ/制作:ハイメディア)

19:40 閉会挨拶
19:45 閉会

映画祭公式ホームページ:http://www.yuki-eiga.com/about


 
                                                           


<「シネマDE憲法」関連情報>

「憲法を知ることは、リアルと普遍の間を何度でも行き来すること——『映画で学ぶ憲法』」志田陽子さん(武蔵野美術大学造形学部教授)



 

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