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憲法情報Now<今日は何の日?>

日本や世界の、人権、平和、憲法に関わる記念日やできごとを広くとりあげています。
 

日中国交正常化の日(9月27日)

1972年のこの日、日本と中華人民共和国との間の国交正常化共同声明(日中共同声明)の調印式が北京で行われ、田中角栄、周恩来両首相が署名しました。これにより、1937年の日中全面戦争以来の不正常な状態に終止符をうちました。 
今、自民党総裁選に関連して、この共同声明の意義が政治問題になっています。

日本は、侵略戦争によって、中国に突出した被害を与えました。死者だけでも1000万人〜2000万人という数字は、天文学的でした。日本は、1951年9月、中国とも講和すべきであるという全面講和論を退け、サンフランシスコ講和条約を調印しました。その後20年以上も中国との講和が成立しなかったのは異常な状態でした。

共同声明文の作成にあたって田中首相は、「日本は中国にご迷惑をかけた」という表現にすることを主張しました(06年8月14日放送のNHK特集番組)。これに中国側は反発し、「日本側は、過去において日本国が戦争を通じて中国国民に重大な損害を与えたことについての責任を痛感し、深く反省する。」という文言で決着しました。
講和の条件としては、戦争で与えた損害賠償責任の履行が、通常問題になります。中国の民衆の間にも、原則に従ってその履行を求める強い声がありました。しかし、中国政府は、「悪いのは日本の一握りの軍国主義者」であり、日本の民衆自身は中国の民衆と同じく、その被害者であるという「二分論」で、国内の反対論の説得にあたり、共同声明で損害賠償請求権を放棄しました(上記の番組)。中国政府の苦心の判断でした。中国の民衆の納得なくしては、国交回復は困難だったことは広く知られています。

自民党総裁選で安部晋三氏は、「交わした文書がすべてである」として、「二分論」を否定しています。「発想の根っ子にあるのは、あの戦争を侵略戦争とはいいたくないという歴史観だろう」とも言われています(06年9月14日朝日新聞社説)。戦犯を祀る靖国神社への公人の参拝の基本にも関わる問題です。

さらに今、中国の人々から、日本政府に損害賠償を求める訴訟が相次いでいます。戦争の傷跡を今なお心身や生活に深く残し、苦悶している当事者にとって、「国交の正常化」とは何なのかが問題になっています。中国等に対して莫大な損害賠償を支払わなかったことは、戦後日本の急速な経済成長を可能にし、私たちの生活水準の向上に大きな影響を与えました。日本人の加害意識を低いまま維持することにも作用したようです。

なお、2005年9月26日、このページに「法の日(10月1日)」を掲載しました。

 

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