法学館憲法研究所は、憲法を系統的に研究し、個人の尊厳の実現をめざす非政府組織としての自由な研究機関です

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憲法情報Now<今日は何の日?>

日本や世界の、人権、平和、憲法に関わる記念日やできごとを広くとりあげています。
 

朝日訴訟第1審判決(10月19日)

憲法25条は生存権(関連情報)を保障し、福祉国家の建設を目指しています。しかし、現実の政治では、国民の生活のあり方を自由な市場の原理に委ね、国の責任を放棄する「構造改革」が猛烈な勢いで実行され、福祉国家の建設は危機に瀕しています。生活保護の水準を切り下げる動きもあります。

そんな中で、1960年10月19日の朝日訴訟(法学館憲法研究所双書『憲法の本』参照)の第1審判決の意義はますます大きくなってきています。この訴訟は、重度の肺結核で生活保護を受けて療養所に入所していた朝日茂さんが、日用品費600円という基準は、25条に規定されている「健康で文化的な最低限度の生活」の理念に基づく生活保護法に違反しているとして、提起したものです。600円の日用品費の内容は「肌着2年に1着、パンツ1年に1枚、ちり紙1月に1束、タオル1年に2本、鉛筆1年に6本」という低水準のものでした。血痰が出る同氏にとって必要なちり紙さえも満足に使えない状態でした。
1審の東京地裁は、この基準は生活保護法に違反しひいては憲法25条の理念を満たさないとして、朝日さんの主張を認めました。25条が一種の法的な権利であることを承認したものです。朝日さんは、上告中になくなり、最高裁は訴えは死亡により終了したとして却下しました(25条については、国の政治的・道義的な義務を定めたプログラムに過ぎないとして、憲法違反を認めませんでした)。

この裁判は世論や国を動かし、生活保護基準は大幅に引き上げられました。第2審係属中の1963年には日用品費は1575円にまで引き上げられました。
「“人はパンのみにて生くるにあらず”というが、パンなくては生きられないことを私は身をもって知ったのである。...それは、おおくの療友が精神的な苦悩とともに、物質的な苦悩によりいっそう苦しめられているのをまざまざと見てきてからである。」(同氏の手記より)。朝日さんの活動は、「人間にとって生きる権利とは何か」を真正面から問いかけるもので、「人間裁判」と称されています。


法学館憲法研究所双書『憲法の本』でも朝日訴訟を図示して説明

なお、2005年10月17日、このページに「貧困撲滅のための国際デー(10月17日)」を掲載しました。

 

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