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憲法情報Now<今日は何の日?>

日本や世界の、人権、平和、憲法に関わる記念日やできごとを広くとりあげています。
 

文化の日(11月3日)

「文化の日」というと、文化勲章が授与され、また文化功労者および各種褒章の受賞者の伝達式などが行われる日として知られています。仕事を休んでまで国民こぞって祝う「文化」とは何なのかという報道は全くといってよいほどありません(今年はどうでしょうか?)。しかし、これは実はメディアの憲法感覚が問われる問題です。私たち自身が「文化」の中身を自覚的に考えないと、知らないうちに趣旨が違う日になっていた、ということになりかねません。

「国民の祝日に関する法律」によると、この日は、「自由と平和を愛し、文化をすすめる」ことを趣旨として定められました。1946年、個人の尊重を究極の価値とし「自由と平和」を基本的な原理としてうたう日本国憲法が公布されました。1948年に制定された祝日法はこれを受けて、「自由と平和を愛する」ことを「文化」の内容として追求する、という考え方に立っています。

もっとも、吉田茂首相は日本国憲法を公布する日として11月3日を選びました。戦前はこの日が明治天皇の誕生日を祝う日だったからです。明治憲法の改正手続に従って成立した日本国憲法ですが、公布の日についても明治憲法につながる発想が認められます。
明治政府は、国民の意識を天皇制に統合するために、さまざまな仕組みを新たに作りました。それが天皇誕生日を祝う「天長節」であり、1880年の天長節から宮中で演奏され始めた「君が代」でした。「君が代」の「君」はもともとは主人とか愛する人という意味でしたが、明治政府は「天皇の時代が苔のむすまで永く続く」ように願う歌に変えました。

自民党の新憲法草案の前文では、「日本国民は、帰属する国や社会を愛情と責任感と気概をもって自ら支え守る責務を共有し」と謳い、続いて「文化の創造」という言葉が出てきます。教育現場で「君が代」の斉唱の強制が拡大し続けていること等も考慮すると、「文化」の中身を、天皇を中心とする国家を愛するもの、あるいは「国益」へと誘導しようとする意図が見えます。

「文化」に関する論点は大変多いですが、もう一つ紹介させていただきます。「商品が売れないから武器輸出(を緩和せよ)という経済界や政界のモラル低下をみると、経済オンリーで倫理や文化への尊敬を欠く国になってしまったのでは(ないか)。」(05年5月13日付け朝日新聞朝刊、辻井喬氏=本名堤清二氏)

なお、2005年10月31日、このページに「ユネスコ憲章記念日(11月4日)」を掲載しました。

 

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