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沖縄

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普天間基地爆音訴訟
T.O.記

普天間基地爆音訴訟は、2002年10月29日、沖縄県宜野湾市の住民404名が原告となって米軍普天間飛行場の爆音差止めと損害賠償を求めた裁判です。普天間飛行場は、沖縄本島中部の宜野湾市の中心にある面積480ヘクタールの米軍基地で、米軍が1945年4月の占領と同時に住民地域を囲い込んで占領し拡張してつくったという経緯から、基地の周囲はすべて住宅地域となっています。そのため、付近の住民は、日常的に米軍機の爆音に悩まされているのに加え、2004年8月13日にはヘリコプターが沖縄国際大学に墜落する事故もあり、生命に危険を生じさせていました。そこで、本件の提訴に至りました。

この訴訟は、国に対する訴訟と、米軍の司令官に対するものの2つがあり、それぞれ審理されています。この訴訟のユニークな点は普天間基地の飛行場司令官個人を被告としている点です。これまでの訴訟では、日本政府ないしアメリカ政府が訴訟の相手方であり、基地の司令官を被告とする訴訟は、これまでの訴訟では初めての試みでした(なお、アメリカ政府を被告とした横田基地訴訟は、2002年4月に、最高裁が「外国の主権的行為に日本の民事裁判権は及ばない」として、原告敗訴の判決を言い渡しています)。

米軍司令官に対する訴訟については、被告であるリチャード=ルーキング飛行場司令官が一度も出廷しないまま、2004年9月16日に那覇地裁沖縄支部で原告敗訴の判決が言い渡され、2005年9月22日に福岡高裁那覇支部で原告の控訴を棄却する判決が言い渡されています。その理由は、米国人の公務中の行為について、個人の責任を問うことはできない、というものでした(国家賠償法上、公務員個人の責任を問うことができないのと同じ)。原告側が上告し、現在、最高裁に係属中です。国に対する訴訟は、地裁で審理が続いています。

普天間基地に限らず、基地周辺の住民らは、爆音によってさまざまな被害を受けています。騒音の激しい地区では、騒音性聴力損失者が発生しているほか、難聴や耳鳴り、高血圧症の発症も見られます。爆音は、眠りを妨げるなど日常生活に支障や不快感をもたらすだけでなく、深刻な健康被害をもたらしているのです(普天間基地訴訟に先行する新嘉手納基地訴訟で、2005年2月17日に那覇地裁沖縄支部で言い渡された判決では、こうした健康被害が認められませんでした)。

普天間基地については、1996年のSACO合意で返還が合意されています。しかし、その中身は、沖縄県内での基地のたらいまわしであり、普天間基地返還の代わりに、名護市辺野古沿岸に飛行場をつくることが合意されました。現在、辺野古沖で海上基地建設が進められています。この海域にはジュゴンが生息しており、基地ができればジュゴンの生存が危機に陥るということもあって、住民らの抵抗が続いています。

沖縄が日本に復帰して35年ですが、いまだに米軍の占領下にあるような状況です。こうした状況の下で、憲法9条を変えることの意味を考えたいものです。

<投稿>

無防備地域宣言を!

城間和子(沖縄県在住。法学館憲法研究所賛助会員)

 「騒音もないのになぜ騒ぐ。」去年パトリオット装備台が搬送された時の米国総領事の
 発言です。日米の合意に憤りを感じています。
 あたかも「交通量の少ない夜中に静かに思いやりの心をもって搬送しているのです。有り難いと思いなさい。県民の命と財産を守る為に配備するのです。」と。住民は3日間も座り込んで阻止しようとしたのですが沖縄県の警察が権力によって住民をゴボウ抜きにして搬送を強行したのです。この事実でもおわかりのように有事が発令されれば権力者のやりたい放題になり国民保護法なんて意味がないように思われます。15才以上の男子そして女子までも狩り出されるでしょう。
 地上戦を体験した沖縄県民は軍隊や軍備が守ってくれるとは誰も思っていません。軍は住民を楯にして戦いましたので軍人よりはるかに住民の犠牲者が多いのです。
 権力担当者に対して「これだけは守って下さいね。」というのが憲法だと思います。主権者は私達国民なのです。議員の皆様も憲法を尊重し擁護義務を果して下さい。ところで今日本の現状は権力がまかり通り戦争の出来る国民、戦争の出来る国へと動きつつあるように思います。平和憲法を基にして国と国とが外交で話しあい又私達も何らかの形でお互いに交流し合って、お友達になって戦争がしにくい状態にしなければと思っております。
 国際的に承認され、戦争のルールを決めたジュネーブ条約の中に「無防備地域宣言。」というのがあります。地方自治体が4つの条件を揃えて宣言すれば戦争禍から住民の命や財産、文化財等を守る事が出来るし違反した時は戦争犯罪になるとの事です。@武器なし兵員なしA軍用施設を使用しないB敵対行動をしないC軍事行動をしない。この4つの条件を揃えて宣言をする自治体が増えているようです。もう地域で守るしかないのでしょうか。
 軍事優先の事件事故、ひどい爆音、どこに落ちてもおかしくない戦闘機の墜落など。
 知事は普天間飛行場の3年間閉鎖状態を主張していますが政府との溝は深まるばかりです。政府が特措法を持ち出すのではと警戒しています。総理は、「すみずみまで美しい国 日本」を目指して欲しいのです。アジアの国々は日本に期待しています。アメリカと距離をおいて下さい。美しい邦沖縄に基地は似合いません。昔沖縄はアジア諸国と交易し平和の発信地になっていたのですから。