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論文「『朝日訴訟』を顧みて」

T・T


 この論文は、「朝日訴訟」裁判の左陪席を担当した元裁判官・小中信幸さんが、当時どのような考え方で裁判にあたられたのかを述べたものです。
 1956年、重い病気に罹っていた朝日茂さんも生活保護を受けていましたが、その生活補助費は月額600円でした。この額は憲法25条で国民に保障されている「健康で文化的な最低限度の生活」を満たしていないとして、朝日さんは厚生大臣を相手に行政訴訟を起こしました。
 小中さんは、この種の裁判には前例がなく、十分な参考資料もなく、苦心して判決の起案をしたと述べています。そして、「生存権の理念は人間としての生活を国民に保障するものだ」という考えにもとづき、当時の厚生省が決定した保護基準は違憲であるとしました。これは、憲法の理念を国が具体的に保障する義務を負うとする、画期的な判決として評価されました。
 この判決は東京高裁で、「不当に低額であるとは言えるけれども、違法とまで断定すべき証拠はない」として破棄されてしまいました。また最高裁でも棄却されてしまいました。しかし、一審判決の後、生活保護基準の低さが社会的問題としてマスコミに取り上げられ、国民的な関心が高まりました。小中さんたちによる第一審判決はその後の生活保護基準の改善に多大な影響をあたえました。
 裁判官としての思いが綴られた論稿として注目されます。

【論文情報】「法学セミナー」2011年2月号に所収。

* 朝日訴訟については当サイトで連載した「日本全国憲法MAP」でも取りあげていますので、ご案内します。こちら

* 当研究所は裁判官だった方々の連続講演会を開催し、その講演録『日本国憲法と裁判官』が出版されたので、ご案内します。こちら

 

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