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書籍『社会の真実の見つけかた』

T・S


 本書は、「9.11」が発生して以降の米国での世論操作や若者が戦争に引き込まれる様を描くことから始まり、若者の貧困や教育現場の様々な問題、メディアの様々な情報の中からの真実の見つけかた、そして若者の新しい政治活動、を紹介しています。
米国では、教育の場に市場原理政策が導入され、教育が投資の対象となり、学校と教師は競争にさらされています。教師は、生徒の成績などによって教育の成果を数字で示すことが求められ、その結果、時間外労働の増加に苦しんでいます。生徒の親たちの生活苦や将来への不安・ストレスが教師へのクレームに結びつくこともあります。教師はますます追い込まれ、いま教師の二人に一人が5年以内に辞める事態にいたっています。
「落ちこぼれゼロ法」の制定の結果、学校は高校生の個人情報を軍のリクルーターにまで流すことになっており、その結果、多くの卒業生が軍隊に入隊しています。資力のない親の子には教育を受ける権利が保障されず、そのような子どもたちが経済的理由から軍隊に入らざるをえないシステムができあがっています。経済徴兵制です。このような状況がリアルに紹介されています。
 また、テレビなどのマスメディが劣化ウラン弾被害のことや日本の海賊対処法案などの重大ニュースをとりあげず、芸能人がらみのスキャンダラスな報道でそれらを隠している状況も告発します。そして、人々が社会の真実をつかむ方法として、新聞の読み比べや、インターネットや地方新聞、ケーブルテレビ・ローカルメディアなどの活用を勧めます。
最後に、米国の若者が始めた運動を紹介します。PAC(政治資金委員会)は若者の直面する問題の解決に取り組んでくれそうな政治家を選び、彼らのために資金を集め始めました。また、バージニア21という団体は、マスコミに取材されるようなパフォーマンスを行い、企業からの金銭的支援も得えられる工夫をしています。インターネットという新しい手段がその大きな武器になっています。
米国と日本は、マスコミによる世論操作、貧困、教育などで、かなりの共通する問題を抱えています。これらの問題に対して憲法が示すように国民が主権者としてどう権利を行使していくべきでしょうか。米国のさまざま人々の活動は、日本人にも示唆に富むものといえます。

【書籍情報】 
堤 未果著 岩波書店 2011年2月刊行 定価(本体820円+税)

* 以前当ページに、堤未果さんの『ルポ 貧困大国アメリカ』を掲載しました。

 

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