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書籍『議員定数削減NO! ― 民意圧殺と政治の劣化』

H・T


 選挙における平等な権利の実現という点では、議員定数の不均衡是正訴訟が活発に展開されています(「一人一票」訴訟)。平等という点で見過ごせないのが、定数是正を図ることと抱き合わせで衆院比例区定数削減の動きが具体化していることです。ムダの排除・経費削減という一見耳障りの良い理由は国民の間の支持が拡大する可能性を持つ大きな要素となっています。しかし、この動きは本当にムダの排除のためなのか、真意は何かを本書は分かりやすく説明しています。一言で言えば、比例区定数を削減するということは小選挙区の比重を高めるということであり、一人一票どころか死票を増やし、民意の正確な反映という民主政治の核心が危うくなっているということを指摘し、広範な国民の共同行動を呼びかけています。

 まず、日隅一雄弁護士は、「日本の選挙制度は異常だ!」というタイトルで、小選挙区・2大政党制中心の日本の選挙制度は議員を選択する幅が狭く、また、選択が結果に反映されず死票が多いと問題提起しています。選挙運動の制限も厳しいなど、先進民主主義国家の中における日本の選挙制度の異常性を浮き彫りにしています。

 坂本修弁護士は、1994年の選挙制度改革は自民党と「思想と基本構想」を同じくする2大政党を作り少数政党を排除するために実行されたが、意図した明文改憲は実現できず新自由主義路線を貫徹することも困難になっているという現状を打開するために、少数政党を徹底して切り捨てるために比例削減が提唱されていることを強調しています。少数政党といっても主張している内容は9条改憲反対など世論の多数派であると指摘しています。

 原田伊三郎氏は、小選挙区制廃止等のためには、風頼りでなくしっかりした運動組織体を作って「1000万人」著名活動などを具体的に行う必要性を訴えています。一過性でない本当の民主主義革命の基礎を作るという提案です。

 このほか、村岡到氏、紅林進氏、太田光征氏、田口房雄氏、小林善亮氏、北村肇氏という各分野で活動してきた方々が、「小選挙区制廃止をめざす連絡会」の元に結集し、「議員定数削減N0」の声をあげ、民主主義のための共同闘争を実現することが今こそ急務であると呼びかけています。
 
【書籍情報】編者は小選挙区制廃止をめざす連絡会。2011年4月刊行。発行者ロゴス。定価は本体1000円+税。

* 議員定数削減などの問題については「法学館憲法研究所報」第4号(2011年4月発行)に、上脇博之・神戸学院大教授の講演録「政党政治とその課題 −財界政治のための二大政党制化の諸制度を批判する」、森英樹・名古屋大学名誉教授の論文「投票価値の平等、議員定数、選挙制度を考える基本的前提」を収載していますので、ご案内します。

* 当サイトに収載している憲法文献データベースでは、「議会」「議員」「選挙制度」などのキーワードで憲法文献を検索できますので、ご案内します。

 




 

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