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書籍『「九条の会」憲法セミナーI核のない平和な世界と憲法9条』

T・S


 本書は、「九条の会」憲法セミナー(2010年10月30日)の講演会での元広島市長の平岡敬氏とイラク支援ボランティアの高遠菜穂子氏の講演録を加筆・収録したものです。
 平岡敬氏は、民主党の外交政策が自らのマニフェストから逸脱し、特に菅政権になってからは政権維持のために自民党政権よりもさらに米国追従が強まっていると指摘し、米国の顔色を伺わないと総理が務まらない日本政府の有り様を批判します。また、オバマ大統領が何を発言しようと戦争をやめられない、アメリカの軍産複合体の構造的問題をわかりやすく説明しています。
 平岡氏はさらに、マスコミ出身の立場から、戦争がおこなわれるに至る背景には教育とマスコミの問題が大きいとして、マスコミ・メディアに対しては戦争をさせない立場からの国民の叱咤激励が重要としています。
 高遠菜穂子氏は、イラク市民支援活動の経験から、マスコミの情報とイラクの現場の実態にはギャップがあり、当初イラク人の語る真実を自身もまともに聞かなかった反省の弁を語ります。一般報道では米軍とイラク武装勢力の対立構造に描かれていますが、実態は、レジスタンスとアルカイーダと米軍の三つ巴の状態であることを説きます。
 高遠氏はまた、このように実態と報道が異なる理由として、日本の取り巻く壁を指摘します。それは、一つは、読者・視聴者がイラクのニュースにあまり興味を持っていないので視聴率がとれないこと。二つめは、米軍を賞賛する外国メディアに対して不信感を持つイラク人が取材拒否をすること。三つ目は、米軍による取材妨害です。
 しかし、このような状況でも、イラク人は日本でのヒロシマ・ナガサキのことを知っていて、戦争をしない国だとして好意的とのことです。サマワに派遣された重装備の自衛隊はイラク人たちの日本への期待を裏切るものだと現地で評価されたといいます。
 このほかにも、一般のイラク人や外国の報道機関や民間人にとって、イラクの「武装勢力」以上に危険で警戒しなくてはならないのは米軍であることが生々しく語られます。
 高遠氏はいま「イラク戦争の検証を求めるネットワーク」の立ち上げのメンバーとして、いまもイラク戦争を支持した日本政府の姿勢を追及しています。
 イラク戦争の検証は、日本の今後の外交を考える場合に避けては通れない課題です。

【書籍情報】 平岡敬・高遠菜穂子著 九条の会 2011年2月刊行 頒価300円

* 以前、当WEBサイトの「今週の一言」のページに、「イラク戦争の検証を求めるネットワーク」立ち上げのメンバーの志葉玲さんの「今こそイラク戦争の検証を―平和憲法を持つ国のケジメとして」を掲載しましたので、ご案内します。




 

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