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書籍『教育を受ける権利と朝鮮学校 ―高校無償化問題から見えてきたこと』

T・T

 

 「全ての意志ある高校生等が、安心して勉学に打ち込める社会をつくるため」(文部科学省HP)、現在、高校の授業料の無償化が進められています。他の外国人学校と同様に朝鮮学校も高校無償化の審査を申請しましたが、昨年11月に審査手続を停止されたまま、今日に至るも手続はストップしたままです。
 筆者・朴三石教授はこの問題を在日朝鮮人の「教育を受ける権利」の保障の問題として掘り下げ、問題提起します。

 朝鮮学校は、日本で暮らす朝鮮民族の子どもたちを対象にし、朝鮮語を授業用語として教育が行われている学校です。1910年の韓国併合以後、多くの朝鮮の人々が日本で暮らすようになり、1945年の日本の敗戦以降、日本国内に朝鮮学校が設立されるようになりました。朝鮮学校の位置づけをめぐっては、日本政府・各自治体と学校との間に様々な紆余曲折があり、こんにちに至っています。本書はその歴史を丁寧にたどりながら、この問題の本質を理解させてくれます。
 この書の真骨頂は、この問題の基本は、在日朝鮮人の「教育を受ける権利」から検討されるべきことを説いていることです。日本国籍を持たない者の権利が保障されないのは仕方ないと思われがちです。現にこうした人たちの権利はいろいろな場面で制限されています。しかし、はたして、そうなのか。朴三石教授は、日本国籍を持たない人々の権利もできるだけ保障されるべきことを、憲法学者・浦部法穂氏の学説などを引用しながら、理論的に解明しています。
 朝鮮学校の取扱いをめぐっては少なくない政治家が政治的に語り、国民も政治的にとらえがちです。しかし、問題を日本国憲法の理念に照らして理性的にとらえ、考える必要があります。本書の刊行が、朝鮮学校における無償化問題の解決につながり、そして、日本人の外国人などとの共生の考え方が広がっていく契機になることを強く期待します。

【書籍情報】 朴三石著 日本評論社 2011年6月刊行 定価1,995円(税込)




 

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