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憲法情報Now<憲法関連書籍・論文>

 

書籍『欧米諸国の「公務員の政治活動の自由」』

H・T

 

 最高裁が人権保障の「砦」であるか、その試金石となる事件が最高裁に係属しています。公務員の勤務時間外の政党機関紙配布行為に対して刑事罰を科すことが憲法21条に違反しないかが問われている堀越事件と世田谷国公法違反事件です。国交法と人事院規則による公務員の政治活動の大幅な制限に関しては、1974年の大法廷判決が明示的に全面合憲判決をしています(猿仏事件判決)。

 上記の2件もこの判例に従った判決が下されるのか、世界と日本の法制や意識の変化にも対応して公務員の人権を尊重する判決がなされるのか、極めて注目されています。
 本書は、堀越事件に関して裁判所に提出された米英仏独4カ国及び国際人権法・ILO条約に関してそれぞれの分野の専門家から提出された意見書を中心にまとめられています。

 本書では、欧米諸国では日本と異なり、公務員は市民の一員として政治活動についても権利が原則的に保障されていること、公務員の権利を制限する場合でも諸外国では「公務の中立性」保護を理由としているが日本では「公務員の中立性」を保護しようとしていること、違反に対して刑罰まで科しているのは日本だけであることなど、日本における法制と司法の現状が民主主義国家としての普遍的なあり方から大きく逸脱していることを浮き彫りにしています。公務員と市民一般の利害が対立するものとして採り上げられがちな現在において、公務員の人権侵害が市民一般の人権侵害にもつながらないかという問題を考えるうえでも有益です。

【書籍情報】著者:晴山一穂、佐伯祐二、榊原秀訓、石村修、阿部浩己、清水敏。日本評論社。2011年1月刊行 定価:4500円+税




 

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