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論文「『反・平和主義』の五〇年」

H・T

 

 法学セミナーの特集「フォーラム 50年目に考える『戦後』と法」所収の論稿で、1995年1月に起きた阪神・淡路大震災の年に書かれました。震災地のただ中にあって神戸の状況をつぶさに経験された浦部法穂氏が、憲法の基本的な理念に基づく大震災の復興のあり方と生活の真の「豊かさ」とは何かを論じています。3.11の大震災・原発事故から半年経った今読み返してみると、今なお極めて新鮮な論稿であり、16年前の教訓が全く生かされていなかったことを鋭く問うものとなっていることに驚きます。

 まず、大震災における自衛隊の災害派遣活動を論じています。自衛隊は災害救助の専門組織ではないため、装備や技術に大きな限界がありました。大地震国日本において、きちんとした防災計画とともに災害救助の専門部隊が整備されていたならば、救助、復興が格段に適切になされたであろうことが悔やまれてならないと記しています。人知によって避けることができる「他国からの侵略」に備えて年間4兆円を超える「保険」をかけることと、回避することができない「自然災害」に備えることとどちらが大切なことなのかを論じています。

 これを受けて、そもそも日本の「平和主義」とは何だったのか ― 外に向けては侵略戦争の否定とともに、内に向けては国民の生命の保護・生活の安定・充実ではなかったのか ― が論じられています。アメリカによる世界市場の軍事的支配とタッグを組み、経済力・技術力という面での力の優位を背景とした「南」の諸国の収奪に依拠した物質的繁栄が「平和主義」と称されてきたものであり、憲法違反の「反・平和主義」がその実態であるという指摘はマスメディアでは見られないものです。「生活の豊かさでなくモノの豊かさは一瞬のうちに崩壊してしまう」ことは今経験していることです。

【論文情報】法学セミナー1995年8月号所収 執筆は浦部法穂氏

<法学館憲法研究所事務局から>
当研究所は11月3日(木・祝)にシンポジウム「震災と憲法」を開催します。ここで浦部法穂顧問が「被災者支援と震災復興の憲法論」と題して講演します。こちら




 

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