法学館憲法研究所は、憲法を系統的に研究し、個人の尊厳の実現をめざす非政府組織としての自由な研究機関です

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論文「阪神・淡路大震災と憲法論の課題」

T・S

 

 阪神・淡路大震災の発生から3年経った1998年の論文です。
 本来人権を守るべき憲法論が、実は被災者の切実な要求の前に大きくたちはだかる「壁」になっているとし、憲法論の基本的あり方について浦部法穂教授が自省を込めて問題提起しています。
 従来、個人の生活や財産形成に対して公的資金を投入することは私有財産制の考え方に抵触するとし、被災者といえども基本的には自己責任による生活回復を余儀なくされてきました。浦部教授はこの考え方について憲法学の立場から強烈に批判します。すなわち、「個人の尊重」原理は自立した個人を前提としているのであり、その前提条件を回復するための「個人補償」は憲法上当然要請されるべきだと説きます。震災の復旧の課題において、被災者個人の生活再建よりも公的施設の建て直しばかりが強調される状況に警鐘を発します。1994年、米国・ロサンゼルスの地震に際し、米国では公共施設の復旧のための公金支出と被災者の生活再建支援のための公金支出が同じ比重でなされたことも具体的に示し、日本における震災復旧の問題点を鋭く指摘します。
浦部教授のこうした主張は、被災者生活再建支援法の制定に結びつき、こんにちでは、まったく不十分ながらも被災者の生活再建への公的支援が実現しています。神戸の地で震災に直面しつつ、憲法理論を発展させ、被災者支援を切り開いた浦部教授の主張には感銘を覚えます。

【論文情報】『国際化のなかの分権と統合』憲法理論叢書E(敬文堂。定価は本体2800円+税)に収載。執筆は浦部法穂氏(当時神戸大学教授、現在法学館憲法研究所顧問)。

<法学館憲法研究所事務局から>
当研究所は11月3日(木・祝)にシンポジウム「震災と憲法」を開催します。ここで浦部法穂顧問が「被災者支援と震災復興の憲法論」と題して講演します。こちら

 



 

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