法学館憲法研究所は、憲法を系統的に研究し、個人の尊厳の実現をめざす非政府組織としての自由な研究機関です

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インタビュー記事「ほんとうの『安全保障』とは何か」

H・T

 

 法学館憲法研究所の浦部法穂顧問(=神戸大学名誉教授)の2003年のインタビュー記事で、雑誌「世界」2003年12月号に掲載されたものです。浦部先生は、それまでの多くの論稿で、震災の被災者支援は「個人の尊重」(憲法13条)の要請から、自立できる最低限の生活基盤の保障の問題として捉えるべきであると主張し、被災者生活再建支援法の制定(1998年)についても理論面で牽引して来られました。

 このインタビューは、観点を変えて被災者の支援などを「安全保障」の面から捉えています。
 それまで、「安全保障」といえばもっぱら「憲法九条の問題」「戦争や軍事力の問題」として理解されてきました。しかし、憲法が最も根底においている「個人の尊重」の考え方からすれば、安全保障も「国のシステム」を中心に考えるのではなく、「一人ひとりの安全保障」が中核になるべきだと強調されています。そうすると、被災者が自立できる最低限の生活基盤を保障することは、人間の安全保障の考え方からすれば当然のことです。

 この観点からすると、例えば、生活保護費のなかから細々と貯金をしたら、その分保護費から収入認定したという有名な事例は、「将来の自立に備える」という制度の理念からは問題であると指摘しています。

 さらに、「人間を守る」ためには、「大地震が起きたとき、本当に大丈夫なのか」と、「原発」を懸念しています。戦争への備えには年間4兆円以上もの国費を使う一方で地震への備えは非常に不十分ではないかということです。
 「いったいどうしてこうなってしまうのか。世論形成に主導的な役割を果たしているマスメディアや論壇、『知識人』や『オピニオンリーダー』と呼ばれる人たちの知的退廃ぶりが、その大きな要因ではないか」。
 福島第1原発の「事故」とここに至るまでの要因である「知的退廃」を鋭く見通しています。
 憲法が保障している「一人ひとりの安全保障」の意味を今起きている様々な問題に投影してしっかり考えさせてくれる論稿です。

<法学館憲法研究所事務局から>
当研究所は11月3日(木・祝)にシンポジウム「震災と憲法」を開催します。ここで浦部法穂顧問が「被災者支援と震災復興の憲法論」と題して講演します。こちら

 



 

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