法学館憲法研究所は、憲法を系統的に研究し、個人の尊厳の実現をめざす非政府組織としての自由な研究機関です

法学館憲法研究所

Mail info@jicl.jp
 
今週の一言
憲法情報Now
 憲法をめぐる動向
 イベント情報
 憲法関連裁判情報
 シネマ・DE・憲法
 憲法関連書籍・論文
 ■今日は何の日?
憲法Voice
研究所・客員研究員紹介
中高生のための憲法教室

憲法文献データベース
日本国憲法全文
リンク集
 
事務局よりお知らせ
賛助会員案内
メールマガジン
ご意見フォーム
サイトマップ

憲法情報Now<憲法関連書籍・論文>

 

書籍『3.11を生きのびる ―憲法が息づく日本へ』

H・T

 

 東日本大震災・原発事故について、実績豊富な多彩な論客がさまざまな角度から憲法の理念を生かすための課題を提起しています。

 編者の小森陽一氏は序文で、1954年に原発予算が秘密裡に突如国会を通過させられ、その後は政官産学メディアの5角形によって「原発の安全性への理由のない確信」が作り出されていった経緯を記しています。今起ちあがつつある脱原発の行動は、主権者が「われらとわれらの子孫のため」(憲法前文)に主権を回復する行動であると述べています(憲法12条)。

 江川紹子氏は放射能に汚染された一帯が警戒区域に指定される前に現地の人々を取材し「命を守れるのは誰か」を執筆しています。国・官僚が放射能飛散の情報を公開せず住民の命を守るための喫急の知る権利が侵害されている中で、必死で奮闘している「住民と顔の見える関係を作っている市町村」の活動を活写しています。

 放射線防護学の安斎育郎氏(当サイトでの発言)は、事故は必ず想定外のことで起きること、原発と原爆は切り離しては考えられないことなどを指摘しています。

 これまで一貫して「豊かさとは何か」を追究してきた暉峻淑子氏は、未だに自前の技術によって原子炉を完成させる力がないままで「モノとカネと安楽と便利を追い求める」社会から今こそ転換する判断力と行動が必要だと訴えています。

 地域経済学が専門の岡田知弘氏は、東日本大震災の被害が拡大した背景として、新自由主義的改革によって東京一極集中、道州制への移行が志向され、従来の基礎的自治体が疲弊してきたことを挙げています。それゆえ、震災復興は中央集権的でなく、住民に密着したコミュニテイ単位で行う「人間の復興」こそが生存権(憲法25条)を実現する道であると述べています。

 さらに、渡辺治氏は「復興をめぐる二つの道の対決」において、9条と25条を生かす復興を、辻井喬氏は「復興は新しい国づくりで」において生活者から見て真の豊かさを目指す復興を呼びかけています。梅原猛氏は「反原爆、反原発の助け合い社会を」のタイトルにて、日本文化の根底にある草木とともに生きる哲学を提唱しています。

【書籍情報】小森陽一編 かもがわ出版 2011年9月刊行 定価:1700円+税

<法学館憲法研究所事務局から>
 11月3日(木・祝)、シンポジウム「震災と憲法」(PDF)で浦部法穂・法学館憲法研究所顧問が「被災者支援と震災復興の憲法論」と題して講演します。被災者の住まいと仕事を政府の責任で確保するよう、その基本的な考え方などを語り合います。多くの方々にご参加いただきたいと思います。

 



 

[今週の一言][憲法情報Now][中高生のための憲法教室][憲法文献データベース][事務局からのお知らせ]
[トップページ]