法学館憲法研究所は、憲法を系統的に研究し、個人の尊厳の実現をめざす非政府組織としての自由な研究機関です

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書籍『消費税のカラクリ』

H・O


 消費税は逆進性が強く、その増税は低所得者の生活を圧迫するとして、消費税増税反対の声が高まっています。しかし、消費税が低所得者の生活をどれほど苦しめているのか、その具体的な実態はかならずしも多くの人々のリアルな認識にはなっていません。正規雇用のサラリーマンなどは所得税・住民税が源泉徴収となっており、税への理解・関心が封じ込められてしまっています。
 この本は、消費税が中小の小売店や業者にどのような影響を及ぼしているのかを具体的に明らかにしています。多くの中小の小売店は消費税を商品の販売価格に転嫁できず、事実上消費税を「自腹」で払わざるを得ません。中小業者が大企業からの受注に際して消費税分の値引きを飲まされるケースも少なくありません。こうしていま、多くの中小の小売店や業者が自殺にまで追い込まれているのです。人々が買い物をした時にその5%が消費税として納められている、ということになっているわけですが、経済的な強者と弱者がいる実際の社会の中では、消費税の「カラクリ」が弱者をさらに苦しめている、ということを私たちは深く認識すべきでしょう。著者・斎藤貴男さんは渾身の怒りを込めて、こうした消費税の問題点をえぐり出しています。
 日本はいま、1980年代くらいまでの社会からすっかり変わり、多くの若者が正社員になれず、結婚する見通しもたたず、少子化がすすみ、消費が落ち込む社会になってしまいました。本書は、消費税導入がこのような社会になってしまった重要な要因になったことも鋭く分析しています。グローバル化の中でこの間、企業、とりわけ大企業の経済活動が重視され、人々の生活が軽視されてきました。新自由主義の考え方が社会と政治の場に蔓延してきています。いま、社会権などを謳う日本国憲法の精神から、税などによって「富の再分配」がはかられ、誰もが人間らしい生活を送れるような社会づくりが要請されます。消費税増税問題にもこうした観点は不可欠です。

【書籍情報】2010年、講談社から講談社現代新書として刊行。著者はジャーナリスト・斎藤貴男さん。定価は本体720円+税。

* 法学館憲法研究所は3月23日(金)に公開研究会「消費税と憲法―応能負担原則を問い返す」を開催し、憲法の視点から消費税増税の問題を考えます。多くの方々のご参加をお待ちしています。



 

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