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論文「原発は"不良債権"である」

H・T


 筆者は専門の財政学の立場から、このまま原発を続けると国民が電気料金と税金などの形で巨額の負担を背負い、電力改革なしでは「失われた30年」になると示しています。国民の経済的な負担はできるだけ少なくするという憲法上の要請からも看過できない問題です。

 東電は料金引き上げの説明として「燃料費上昇」を、また、原発再稼動を急ぐ説明として「エネルギー不足」を掲げていますが、それらは口実であり、「経営・財務委員会」が公表したシミュレーションによると当面の債務超過を避け、自ら引き起こした事故の処理費用を利用者に負担させるために過ぎないと分析されています。

 さらに、上記シミュレーションには莫大な賠償費用、除染費用、廃炉費用が含まれていないと指摘しています。
 そのうえ、原発は使用済核燃料の処理ができてはじめて維持可能になりますが、六ケ所村の再処理工場は建設後20年経った今でも稼働しておらず、これも経営破綻するおそれが濃厚であると。

 よって、原発は既に「不良債権」になっており、国民が被る経済的な負担を避けるためには、早急に東電を解体し国有化する以外にないと主張しています。
 経営責任、株主責任、債権者責任を厳しく問うのは当然として、できるかぎり国民の負担を減らすためには東電の発電所や分離した送電会社を売却、ないし新株発行して売却するなどして、事故処理・賠償・除染などの費用を調達することが不可欠だと解説しています。

 かつての不良債権処理と同様に、ズルズルと公的資金の追い貸しを続けて結局は国有化するのは、危険な原発を動かし、また私たちの負担を増やすという極めて重大な問題があることを気付かせてくれる論稿です。

【論文情報】
「世界」2012年3月号所収 岩波書店 840円(税込み)



 

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