法学館憲法研究所は、憲法を系統的に研究し、個人の尊厳の実現をめざす非政府組織としての自由な研究機関です

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論文「『経済大国』と改憲論」(紹介文・その4)

H・O


前前々回前々回前回からの続き>

 『「憲法改正」批判』(1994年、労働旬報社)に収載されたこの論文で浦部法穂・神戸大学教授(当時。現在は法学館憲法研究所顧問・神戸大学名誉教授)は、1990年代の改憲論は日本を「経済大国」として維持する目的で唱えられていると言う特徴があること、しかし果たして日本は本当に豊かな国といえるのか、日本を「経済大国」として維持することを目的とする改憲論が外交や政治をどう変えているのか、などを分析し、その動向に警鐘を発しています。前前々回前々回前回に紹介したとおりです。
 この論文の最終章「「豊かさ」の限界をこえて」は、日本を「経済大国」として維持していくことは、けっしてひとり日本の問題ではなく、それは世界全体に大きな影響を及ぼすことであり、自然環境・生態系や資源・エネルギーなどを考えるに人類の破滅にもつながると指摘します。そして、「いま何をなすべきか」として、地球環境・生態系の保護・修復、南側諸国の人々の生活水準向上と人口増加の抑制などを提起します。「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有する」(日本国憲法前文)という基本的視点からの浦部教授の提起は、この論文が書かれてからやがて20年となるこんにち、いよいよ真剣に検討・具体化されなければならないと言えるでしょう。

 

<法学館憲法研究所事務局から>
 5月に開講となる連続講座「生活と憲法」でも浦部法穂・法学館憲法研究所顧問は日本の経済・社会の根本問題を問うことになります。多くの方々に受講していただきたく、ご案内します。



 

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