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特集「総批判『社会保障と税の一体改革』」

H・T


政治の最大の焦点となっている「社会保障と税の一体改革」について、憲法が要求している生存権・福祉国家の建設の観点からの総括的な批判です。

社会保障のあるべき像に逆行する保育、医療、介護、老後保障の「改革」、及び所得の「再分配機能に反する税制の「改革」がそれぞれの専門家によって批判され、また「一体改革」のめざす「貧困・格差対策」の問題点が論じられています(相野谷安孝氏)。

冒頭の渡辺治氏と二宮厚美氏による対談「『社会保障と税の一体改革』の政治・経済学」では「一体改革」を論じつつ、それに限らない全体像を俯瞰しており、大局を理解するのに役立ちます。
すなわち、今の日本社会が進んでいく3つの道を提示しています。1つ目は、「一体改革」を推進する構造改革型の道です。戦後の1950年の社会保障制度審議会勧告では「人権としての社会保障」が明確に打ち出されました。これに対して、1995年の同じく社会保障制度審議会勧告では、社会保障はみんなで助け合うものとなり、最早国家が責任を持つ権利としての性格は変質しました。これに対応して税制も、垂直的所得再分配から水平的所得再分配である消費税にシフトしてきたと両者の関係を示しています。大政党の間ではこの方向で既に政策面では大連立が成立しつつあり、主要メディアも大連立を呼びかけて構造改革を積極的に促進する立場に立ちました。橋下氏の政策の分析も注目されます。
2つ目はかつての大企業開発型の新保守派の道です。TPPに反対する中野剛志氏、西部邁氏、佐伯啓思氏らがここに位置づけられます。
3つ目は、憲法の原点に戻った福祉国家への道です。歴史的には西ヨーロッパで実現しており、大企業をはじめとして過剰な資金力がある日本でも税制改革等を通じて十分可能な道であることが各論的にも論じられています。

【論文情報】日本民主法律家協会発行「法と民主主義」2012年4月号所収  定価1000円+税



 

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