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座談会「日本国憲法の原点と現点」(その1)

H・O


 1993年に、憲法学者である、浦部法穂氏(当時神戸大)、水島朝穂氏(当時広島大)、清水睦氏(当時中央大)、森英樹氏(当時名古屋大)が語り合った記録です(司会は森英樹氏)。当時日本社会が大きな転換期を迎えるに至った状況を日本国憲法の原点に立ち返りながら分析し、課題を提示することを目的に開催されました。
 「法律時報」1993年5月号に収載されたものです。
 1992年、PKO法が成立・施行となり、日本の自衛隊がついに海外に派遣されるようになりました。自衛隊は違憲と指摘されながらも、それまでは専守防衛の部隊だと政府によって説明されてきました。したがって、PKO法の成立は戦後日本社会の一大転換点でした。
 当時は政治改革をめぐる激動の時期でもありました。リクルート事件などによって政財官の金権腐敗体質が暴露され、国民の政治不信が最高潮に達しつつあり、それがやがてこんにちの小選挙区制の導入などに突き進んでいったのでした。
 さらにこの時期は、こんにちの天皇が即位し、皇太子妃が決まった時期でもありました。日本国憲法に国民主権・象徴天皇制が定められて以降、このことをめぐる評価をめぐっても大きな議論が行われました。
 この時期はこうした日本社会の分岐点にあたり、憲法「改正」の議論も新たな高揚を見せた時期でした。
 座談会では、PKO法実施の現状と問題点について水島朝穂氏が、政治改革の動向と問題点について森英樹氏が、象徴天皇制・国民主権をめぐる問題状況を浦部法穂氏が、憲法「改正」をめぐる問題状況を清水睦氏が総括的なコメントを行い、議論が展開されています。
 水島朝穂氏のコメントはPKO法の実施状況についてトータルに、かつポイント部分は詳細に分析しつつ、日本の防衛・外交に関わる問題点を国連と国際社会の動向との関連で論及するものとなっています。そして、国際紛争に対して日本は、たとえそれが国連によるものであっても軍事的解決にはコミットしない、という立場をとる必要性を日本国憲法の原点から解き明かしていく重要性などが語られました。
 約20年前の議論ですが、それは、曲折を経ながらもこんにちの諸制度につながっていることであり、多くの示唆を受ける内容になっています。

<つづく>

<法学館憲法研究所事務局から>
 9月15日(土)、「平和と憲法 − "武力なき平和"のリアリティ」と題して水島朝穂氏(早稲田大教授)が講演し、当研究所の浦部法穂顧問(=神戸大学名誉教授)と対談します。こちら。日本国憲法の平和主義についての第一人者の話を多くの方々に聴いていただきたく、ご案内します。
  * 水島朝穂教授の「平和憲法のメッセージ」



 

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